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2013年3月13日 (水)

アシスタントの話

昔、自分がアシスタントをしていた時の話。

アシスタントと言うのは基本、先生とアシとの直接の雇用関係である。
自分は御給料日に直接先生から頂いていたと記憶している。

それが、あるとき某出版社が間に入って、アシスタントの派遣を始めたことがあった。
お給料は出版社から頂くということで、ちょっとめんどくさくなった。

これはあくまで試験的な試みだったと思うのだけど、
御給料日に各自出版社に出向いてお給料を頂戴することになっていた。
交通費は自分持ちで。

それで、五人くらいだったかな、いつもの仕事場のメンバーが先生以外全員集合して、
なにやらプーたれながらもそれぞれお給料を頂戴した。
担当編集の人に「登録して他の先生の所に行かない?」と聞かれたけど、
自分は技術的にはとてもプロアシになれるようなシロモノではなかったので、
丁寧にお断りした。

出版社を後にして、せっかくだからみんなで飯でも食っていこうぜ、と言う話になった。
自分は当時、ギリギリの生活をしていたので、
給料袋から直接お札を出すしかなくて、ちょっと恥ずかしいなと考えた。

出版社と駅の中間地点にトンカツ屋があったので、そこに全員なだれ込んで、
アツアツのトンカツ定食を注文した。

自分はペーペーのアシスタントだったけれど、
他の皆様は歳こそ近いけれど歴戦のつわものぞろいで、
超有名な先生のチーフをやっていた人もいたし、
既にプロデビューして作品が雑誌に掲載された人もいた。

「○○先生はホワイトを使うのが大嫌いで、白抜きは寸止めしろって言われたけど、
構わねーから人物にピッタリくっつけてやった。ガッハッハ!」
みたいな愉快な会話がポンポン飛び出して、傾聴しているだけでも楽しかった。

「××先生は原稿の印刷されない部分にヒロインのオッパイ描いてましたよ。
滅茶苦茶いい人だよな」
アシスタントへのサービスだったのだろうか、自分もちょっと見たいなと思った。

プロデビューした人は、担当に見せるネームで、
絶対掲載不可能なヤバイシーンを入れまくった話をして、
「あれがボツとかどうかしてる」
とうそぶいた。滅茶苦茶かわいい女の子を描く人なのに、
レイプやら凌辱やら、信じられない言葉がポンポン飛び出して、
掲載作品を知っているだけに「なんかイメージと違う」と笑ってしまった。
本人は無茶苦茶イケメンなのに。

武勇伝はどんどんエスカレートして、マニアが聞いたらさぞ面白かろうという話題が、
トンカツ屋のテーブルで展開された。

こういう豪傑さんたちの中で、今貰った給料袋からお札を出すのはなんかカッコ悪いな、
どうしようかなと思ったけれど、
全員何の躊躇もなく、給料袋からお札を出したので、
「えーーっ!」
と思わず叫んでしまった。

「かわすみさん、なに脳天から声出してるんですか」
「いや、なんかみんなお金持ちだと思い込んでたんでびっくりした」
「俺、財布思いっきりカラですよ」
と、その方は胸を張った。こうなるとみみっちいプライドで貧乏を恥じていた自分が、
すごくカッコ悪くなってくる。プロアシさんの一人が、
「俺も金ないんでトイレでこっそり出してこようかと思ってたけど、
みんなが堂々と給料袋を開けたんでホッとした」
と告白して、一同「金持ちとかいねーし」と笑い合った。

ああ、なんかこの一瞬は伝説のトキワ荘みたいだなと、内心ちょっと考えた。

その後、別の機会に同じ先生の所へアシスタントに行ったところ、
また先生からの直接雇用に戻っていたので、
出版社の実験はあれ一回限りだったのかもしれない。

アシスタントの派遣システムというのは誰もが一度は考えるし、
アシ仲間の人も、それで会社興したらもうかるんじゃね?みたいに言ってたけど、
個性の強い人たちを大量に管理するというのは、
並大抵の努力では難しいだろうなと、ちょっと考えた。

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