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2013年4月22日 (月)

絵の話

技術的な話というのは興味のない人には結構つらい。
むかし、ベトナムで反転印刷されたドラえもんの単行本が売られていて、
それをドラえもんマニアの担当さんが嬉々として買ってきたのだけど、
見せてもらったら、デッサンがまったく崩れていなかったので、すごく感動した。
(ベトナムとかタイの漫画は日本とは逆で左開きなのだ)
反転されて正視に耐える絵というのは、かなりレベルが高い。

そのことをしきりに「すごいすごい」と興奮気味に話していたら、
まわりの人が少し困った顔をしていた。

普段絵を描かない人には本当にどうでもいい話なのである。

ここはブログだから好き勝手書けばいいと思うけれど、
まあ、いちおう「うざい話である」ということは最初に謝っておこうかなと。


 1.下書き

基本的に絵なんて好き勝手描けばいいだろうと思うのだけど、
自分のような「天才でない人間が天才っぽい絵を描く裏ワザはないか」と、
アホなことを追及してきた人間には、それなりにアホの蓄積がある。

たとえば、人間を描くとき、
いきなり目から描き始めるのはタブーである。
いろいろ理由はあるけれど、一番の問題は、眼球がクルクル動くので、
それに引きずられてデッサンが複雑になるからだと思う。

むかしアシスタント先で人間をどこから描き始めるのかという問答になったことがあって、
輪郭とか、鼻とか、皆さんがそれぞれにこだわりがあって、なるほどなと感心した。
基本、動きのない安定した部品をしっかり頭に叩き込んで、そこから絵を描くというのが、
一般的であるらしい。

だから先生が「眉毛から描き始める人を知ってますよ」とおっしゃったときは、
ちょっと悩んだ。でも眉毛を形として確立させれば、案外いい手かもしれない。

そういう自分は、実は目から描き始めるオッチョコチョイである。

これは最初に書いた理由で、きちんとデッサンをしようとするとあまりいい手ではない。
しかし、例外はあって、徹底的に目の形を頭に叩き込んで、
上向きの目も下向きの目も、流し目も閉じた目も、すべてそれ一個として完璧に描ければ、
デッサンは崩れない。当たり前っちゃ当たり前なんだけど。

小林まこと先生が何かのインタビューでおっしゃっていたけど、
目だけをひたすらスケッチブックで描きまくったことがあったらしい。
すごい先生はすごい勉強をしている。

で、自分も目だけをひたすら描きまくったけど、

「女の子がかわいくならない」

という理由で早々に脱落しそうになった。
きちんとデッサンした目を描くと、たいてい目つきが悪くなる。
特に下まぶたを描きこむと、かわいらしさが80%くらい死ぬ。(当社比)

結局自分はこの問題で回答は見つけていないのだけど、
ただ、右目は右目っぽく、左目は左目っぽく、この二つの位置がバランスよく描ければ、
デッサンは比較的楽になると思う。

Img025

大人になるとパンツがひたすらかわいいアイテムに思えてくる。
いやらしい意図はまったくない。


 2、ペン入れ

アナログなペン入れはそのうち無くなるかもしれない。
この十年間でも、ゼブラの職人さんが退職してGペンが生産できなくなったことがあった。
慌てて池袋のパルコやらロフトに行ったけれど、見事に買い占められていた。

その後、職人さんが復職したか何かで、生産は安定して続いているようだけれど、
長い目で見れば、十年先も二十年先も、漫画をペンとインクで描いているというのは、
ないのかもしれない。

若い人は積極的にタブレットに手を出しておいた方が無難だと思う。

自分は原稿用紙に丸ペン、あるいはときどきGペンでペン入れをしているけれど、
これはタブレットが使いこなせないからで、もうちょっと早く生まれていて、
お金に余裕があったら喜んでタブレットを使っていたと思う。

ペン入れは実はけっこう難しい技術だと思う。
絵を描くというよりは、ノミで彫刻を彫るという感覚の方が近いんじゃないか。
ただ、それだけに技術をマスターすると立体的な、それこそ紙の上に彫刻があるような、
滅茶苦茶カッコいい絵がズコンと浮かび上がってくる。

自分もプロの人の完成原稿は何度も見る機会があったし、
実際にプロの原稿のアシスタントもしていたわけで、
絵が紙から浮かび上がって見える「超感覚」は何度も味わっている。

ナマの線の生命感とか、色っぽさというのは、印刷ではかなり消えてしまうけれど、
例え見えなくなっても、そのナマな感覚が漫画家さんの絵の色気になっているのは、
間違いないと思う。

自分もそういう線がひけたらいいなと切実に願っているけれど、
画材が安定供給されない可能性というのは、どうしても頭においておかなくちゃならない。
だから、タブレットに乗り換えられるものなら、乗り換えたい。消極的に。

で、ペン入れなのだけど、
自分は目から下書きを描くけれど、ペン入れは下あごからの方がいいんじゃないかと、
ちょっと思う。
物体の下のラインを引いて、上のラインを引いて、
顔面という物体を確定させてから、そこにえぐり込むように目を彫り込む。

Ws000007_2
スキャナで取り込んだもの。

1980年代から漫画の背景の超リアル化現象というのが起こって、
必然的に人物の絵にも立体感が要求されるようになった。
自分も最初に入っていただいたアシスタントさんが超絶リアル指向だったので、
引きずられて、絵を立体的に描かざるを得なくなった。
自分の漫画を知ってる人は、ここで、「ああ、だから顔が伸びたのか」とか、
「茶筒みたいになったのはそのせいか」と考えるかもしれない。

まあ、その通りなのだけど。

今まで目を描いていたつもりだったのが、ただ目の記号を描いていただけで、
瞼とか、頬の肉とか、「絵の白い部分」も描かなきゃいけないんだと悟った。
だから、白い部分をペンで浮かび上がらせる、彫刻みたいなペン入れになる。

今まで意識していなかった土台の部分が急速に表面化したので、
それが「茶筒化現象」を引き起こしたのではないかと思う。
自分で分析するとすごく馬鹿みたいだけど。

この点は、若い人の方が感覚的に分かってるような気がする。
なにせ、子供の頃からフィギュアを手に取ってその立体感を知っているのだから。
自分はせいぜいミクロマンで遊んだくらいのもんだ。この差は大きい。

で、顔が終わったら体なのだけど、上の理由により、
おっぱいは下乳、お尻は下尻と、物体の下からペン入れして、それに合わせて、
蓋をするように上のラインを乗っけるのが良いと思う。
見本の絵だと、膝小僧とか肩とか、頭頂部なんかは最後にペン入れをしている。
上から順番にペン入れをしていくと、重力を感じない絵になるように思う。


 3.色塗り

色塗りは自分が偉そうに語れたことではないのだけど、
コミックスタジオだととりあえず部品ごとに色をぶち込んだベースを作って、
それを少しずつ細かく調整していく感じ。

Ws000000

肌なら肌のレイヤーを作って、影を作る場合はそこにブラシで影を塗るか、
肌のレイヤーを複製して、色を濃い目に調整してからひたすら削る。
削ると下の元の肌色が出てくるのでなんか立体を作り出す感じがして楽しい。

Ws000002

背景は柄のスクリーントーンの色を変換して貼り付けてるだけ。

Photo

これで完成。案外時間はかかっていない。

実はこれを使ってブログの看板を作ろうと思って、
実際それらしいものをこさえるところまではやったんだな。

Photo_2

Ws000001

でもいざこれをネット上にアップしようとしたら、全然反映されなくて、
悪戦苦闘したのだけど、結局わからなくて、
完全に投げ出してしまった。

絵でも入ればブログが華やかになるんじゃないかと思ったけれど、
(あと、自分がただ女の子をかわいく描きたいタイプの人だとわかってもらえるかなと)
なかなか世の中思い通りには運ばないもんさ。

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