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2013年10月12日 (土)

リプレイ

タイムトラベルはSFの王道です。

物語としてのタイムトラベルは、けっこう歴史が新しく、
主人公が過去に流されて歴史に介入する物語は、マーク・トゥエイン作の

『アーサー王宮廷のヤンキー』(1889年)

あたりが最初だそうです。題名から既にB級の香りが漂ってきます。
僕にとっての時間遡航物語は藤子F不二雄の一連の作品で、
小学生くらいの頃は「ドラえもん」の長編「のび太の恐竜」を繰り返し読んでいました。
連載時にコロコロ本誌をばらして自分だけの本を作っていた話は以前ここにも書きました。
フタバスズキ竜の「ピー助」をタイムマシーンで過去に届ける話は、
あらいぐまラスカルの恐竜版みたいですが、SFの面白さは僕はこの作品で教わりました。

あと藤子F不二雄だと、短編が好きです。「ノスタル爺」とかときどき読み返したくなる。

映画の世界でタイムトラベル物の最高傑作はたぶん
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」じゃないかと思います。公開1985年。
僕がこの映画を観たのは高校時代で、学校の球技大会でのことです。
なんのこっちゃですが、一回戦敗退後、大量に発生する難民学生のために、
映画研究会が視聴覚室で上映会をやっていたのです。

うちの高校は球技大会をそれは大々的にやっておりまして、
ふたつあった体育館はバスケとバレーでフル稼働、広大なグラウンドではソフトボール、
みんなそろいのTシャツを着て青春を謳歌しておりました。
僕は背中に「負けてもEもんね」とピンクの文字でプリントされたシャツを着て、
友達と視聴覚室に流れこみました。クラスがE組だったのです。
センスの欠片もないTシャツだ。

視聴覚室には早々に敗退して時間を持て余した生徒が集まってきて、
グラウンドの大歓声を耳にしながら映画を観たわけです。
それもまた、青春と言えば青春。

マイケル・J・フォックス主演の「BTTF」は当時大ヒットした映画で、
今でもCSなんかでは繰り返し放送されている古典的名画です。
1985年のロック大好きな高校生が、1955年にタイムスリップする話で、
自分の両親の青春時代に出くわしてしまう。
まあ、ストーリーの解説はいまさらなのですが、脚本が見事で、
張り巡らされた伏線が次々と回収されていくラストは快感ですらあります。

そして、この映画も既に公開から三十年近くが経って、
映画の中の1985年さえ、大昔の歴史的世界になってしまいました。
今の若い人がこの映画をどう見ているのか、想像もつきませんが、
僕の個人的な感想だと、2013年の現在と1985年の大昔は、
それほど違っていないのじゃないかと思います。
少なくとも、1955年と1985年ほどの極端な違いはない。
……繰り返しCSで放送されているということは、今見てもあの世界観は有効ということ、
なのかもしれません。

この映画のすぐあとくらいに、ケン・グリムウッドの小説「リプレイ」が発表されます。
中年の主人公が青春時代に繰り返し戻るストーリーは、日本でもドラマ化されました。
主演は堂本剛、ヒロインが遠藤久美子と仲間由紀恵だったかな。
自分が原作を読んだのもこの日本版のドラマを観てからだったはずです。

物語は1987年から始まります。
この段階で43歳くらいだった主人公のジェフは、電話で妻と口論しているうち、
心臓に激痛を覚え、気が付くと1963年の大学時代の学生寮にいました。
……この物語の特徴的なのは、「BTTF」のようなタイムトラベルではなく、
意識だけが過去の自分に移動するところで、頭の中に25年分の未来の情報があります。
いわゆる、タイムリープというやつなのですが、この設定がおいしい。
一度目のリプレイをした主人公は競馬の大穴レースの知識があるわけで、
そこに有り金をすべてつぎ込み、二十代にして巨万の富を築きあげます。
そして、セレブな人生の果てにまた1987年を迎えるのですが……(以下略)

自分は十年以上前にこの小説を読んでいるのですが、
そのときは、「よく出来たお話だな」程度だったはずです。
ところが、実際に主人公と同じくらいの年齢になってみると、よく出来たお話以上の部分、
人生のもろさとか、虚しさとか、そういう部分に心が魅かれまして、
「あれ、この話ってこんなに深かったっけ?」
とちょっと驚いています。若い頃にこの小説を読んだことがある方は、
是非、もう一度ジェフと同じ視点で読み返すことをお勧めします。
人生を何度もやり直すのって、残酷だよなとしみじみ感じます。
名作です。

そんでもって、この小説についても、物語の起点が1987年ですから、
今の若い人にはちょっときついかなと思うのですが、どんなものでしょうか。
細かいところですが、缶ジュースを飲もうとしたらプルトップがなかった、というネタは、
三十代でもちょっときついかもしれません。
昔は缶ジュースを飲むときは専用の器具で穴を二つ開けて飲んでいたのです。
飲む穴と、空気穴です。
多機能缶切りなんかだと、穴あけ用の器具が今でもくっついていたりしますが、
あの使用目的も、若い人にはわからないかもしれない。
自分ですら、ギリギリ体験しているくらいですから。

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 ネット上の拾いものですが、こんな感じ。

それでも、若い頃のスティーブ・ジョブズというヒッピーの青年を見つけ出して、
彼に投資してひと財産儲けるという話なんかは、今の若い人にも面白かろうと思われます。
あと十年もしたら、その時の若年層にはピンとこない話になっているはずです。
だから、興味のある方は読んでみてくださいね。

とりとめのない話ですが、タイムトラベルとタイムリープについて書いてみました。

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