無料ブログはココログ

amazon

  • PCソフト
  • DVDベストセラー
  • ベストセラー
  • ウィジェット

« 2014年5月 | トップページ | 2014年7月 »

2014年6月

2014年6月21日 (土)

8ミリフイルム

学生時代のサークル仲間さんから、当時のやんちゃなDVDを送っていただきました。
学祭で上映したアクション巨編です。
まさかそんなものが郵便ポストに入っているとは思わなかったので、
開封して「懐かしい!」と叫んでしまった。
さっそく後輩さんと視聴しました。

八十年代当時に8ミリで撮影したもので、
やんちゃな人たちが正義の味方と悪役怪人に扮してバトルを繰り広げている。
学園祭で8ミリ映写機担当で何度か上映しているので、結構細かいネタを覚えていました。
僕は美術を少し担当しただけで、撮影にはまったく関わっていないのだけど、
最後のところにちょっとだけ、スタッフとして出てきます。
これがね、自意識過剰なんだろうけど、まともに見られなかったりします。
思わず視線をそらしてしまった。

なんか、ずいぶん遠いところに来てしまったような気がします。

どれくらい遠いかというと、こんな感じ。
クレジットに協力として「カメラのヨコヤマ」と出てくるのですが、
ここで8ミリフイルムを現像に出してもらっていました。
その並びに、ラーメン屋さんがあったのですが、ここがあんまり美味しくなかった。
美味しくなかったのですが、おじちゃんおばちゃんがいい人なので、
学部の「ツレ」が「ラーメン食べに行こうぜ!」とよく誘ってきました。
強烈に覚えているのが、例の天安門事件で、
この言葉をブログに書くと中国で検索出来なくなるというくらい、強烈な事件なのですが、
あの事件をこのラーメン屋のテレビで見ているとき、
感極まった「ツレ」が突然立ち上がり、

「お前らこんなところで何やってるんだ!」

と、私らに対して怒り始めたのです。
何をやってるんだって、ラーメンを食べてるんですけどね。
あの段階では天安門広場に学生たちが自由の女神を作ってるあたりじゃないかな。
あのあと、戦車部隊が突入してきてずいぶん酷いことになってしまいました。

その天安門事件も今年で25周年。

それくらい昔の話だったりします。

8ミリフイルムは保存をどれだけ頑張っても、ある程度は劣化します。
音声も、磁気テープなのでどんどんぼやけてくる。
リールに巻いた状態で保存しておくので、重なった部分の音が移ったりしています。
そこに昔のやんちゃな人たちがいて、ひたすらやんちゃなことをしているので、
なんか自分の25年前が前世の出来事みたいに思えてきます。
僕はその人たちがその後どういう人生を歩んでいるか、あらましくらいは知っているので、

「この幸せパパさんが昔はこんなやんちゃなことをしていたんだな」

としみじみと思います。

この作業をしてくださったサークル仲間さんには本当に感謝しております。
ありがとうございます。(このブログを知っているそうなのでここに書いときます)

P1030277

何のl脈略もなく「近藤です」

2014年6月20日 (金)

点と線

ときどき、一般人にはまったく興味のなさそうな技術的な話をしたくなります。

以前にこのブログにも書きましたけど、絵の技術の話は、
興味のない人にはひたすらうざいです。
カタギの職業の人達はもちろん、漫画編集者、アシスタント、
このあたりはアウトです。

まともに聞いてもらえません。

アシスタントさんとか、なんでかなと思うけれど、
まあ、自分の教え方が悪いのだろうなと反省をするのです。

自分が大昔にアシスタントさせていただいた先生の場合、
「かわすみさんはペンの使い方が駄目ですね」
というんで、しばらく特訓を命じられました。

まず、原稿用紙に横一文字に線を引き、
それに沿ってフリーハンドで平行線を描き続けます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー~~ーーーーーー~ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー~~ーーーーーーー~ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー~~ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー~~ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー~~ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー~~~
使っていたのは丸ペンだったと思うけど(アシスタントは丸ペンで細い線を引く)、
これで横の線を引くのが結構きついです。インクがなくなったら、
その途切れたところから「継ぎ目がわからないように」引き始めます。

僕は上から下に引き下ろす線は、まあ大丈夫なのですが、
横に引くのは結構苦手で、線がプルプルと震えます。
「これじゃあ使えないよ」
と怒られます。

次、丸を描く練習。 
コンパスで半径三センチくらいの円を引き、
その一ミリくらい外側にフリーハンドで丸を描いていきます。
……これは結構おもしろかったけど、プロからするとグダグダの線みたいでした。

先生もさすがに呆れたのか、この訓練は一日で強制終了しました。

一応弁明させてもらうと、自分が初めてペンを握ったのは小学三年生の時で、
それ以来、たぶん300ページくらいの漫画原稿は描いていたと思います。
それでも、プロに要求されるきれいな線というのは、自分には引けませんでした。

絵を描くのは大好きですが、ペンで線を引くのは大嫌い、
これが十代から二十代の頃の僕だったりします。

ところがねぇ、引ける人は引けるんですよね、漫画の線。
超有名漫画家さん……おそらく名前を出せば誰でも知ってる方、
そこのアシスタントさんが三カ月だけ入ってくれるというので、
狂喜乱舞したことがあります。

で、絵を見せてもらったら、すごく上手なんですよね。線とかちゃんと引けてる。
さぞや修業を積まれたのだろうなと思ったら、
「いや、漫画を描き始めてまだ数か月なんですよ」
という話。オラびっくりしちまったぞ。

なんか、その先生のところでは一番下の方で、ちょっと仕事場に入れないから、
先生の奥様が出産で抜けるまで、かわすみのところでアシスタントをしてちょ、
という話だったと思います。
でも、有名少年誌の新人募集のイラストとか描いていて、それがもうプロなんですよね。
生まれながらに持っているセンスが違う。たった数か月でそのレベル。
神様ってなんて不公平なんだろうって思ったよ。

ただ、数か月というのは本当みたいで、ちょっとしたことが変だったりはしたのです。
たとえば、
「俺、丸ペンは苦手なんですよ」
というので、Gぺんで背景を描いていたんだけど(それでもきれいな線引いてた)
それじゃあこの先不便だろうと思って、線を引くところを見せてもらった。
そしたら、なるほど線がギギギギギと小刻みに震えている。
で、ちょっとおかしいなと思って借りて引いてみたら、僕でもギギギギギとなる。
「……これ、文字を引く専用の丸ペンだよ」

ペン先にはいろいろ種類があって、漫画を描くのに向いてるものもあるし、
向かないものだってある。
英語のスペルを書くのに特化したペン先なんかは、まず漫画には向かない。
「ちょっと僕の使ってるやつで線を引いてみてよ」
と貸したら、
「うおおおおおおおおおおおお」
みたいな感じでスラスラ線を引きやがる。僕よりきれいに使いこなしてやがる。

その大先生のところではアシスタントとの会話がほとんどなかったそうで、
自分の使ってる道具がおかしいことにずっと気が付かなかったそうです。

はじめて漫画を描く人にはありがちなミスなのですが(僕もやってる)
それをプロ並みの絵を描く奴がしでかすから、ちょっと面白くなかったです。

漫画の絵というのは、描ける奴はさっさと描けるようになります。
これはもう「才能」というしかない。
前世が手塚治虫というやつがゴロゴロしているのが漫画界なのです。
で、僕の場合は前世が手塚治虫ではなかった。
そりゃそうだ、大学生の頃まで手塚先生はご存命だったし。

僕にはハンディがあったという言い訳もできます。
生まれてからずっと両親が共働きだったので、
鉛筆の持ち方が壊滅的に悪かった。薬指にペンダコが出来てました。
これはちょっと矯正したくらいではどうにもならない。

それでも、きれいな線を引きたいという欲求だけは人一倍あるのです。

だから、この方面ではいろいろ試行錯誤しましたし、
「描けない奴がそれっぽく描ける方法」というのは、
いろいろ開発していたりするのです。開発しているうちに歳をとっちまったけど。

例えば、「右向きの顔は描けるけど、左向きの顔は描けない」
という古典的な命題にも、自分なりの解答はもっていたりします。
それ、姿勢が悪いか、ペンの握りが悪いかで、絵の焦点が紙の右側にずれてるんです。
丸を描いてみるとわかります。○の左半分はきれいに描けても、
右半分はおそらくきれいに描けないはずです。
○の中心軸が○の外側に飛び出しているんです。
「絵の重心がどこにあるのか」を意識して描くようにすれば、
たぶん、数か月で矯正できます。
僕は十年くらいかかったけど。

わかりやすく描くと、こんな感じ

   ○ ×

×のところにコンパスの針を刺しても丸い線は引けないです。
左の線はなんとか引くことが出来るかもしれないけど、右は無理です。

ペン入れにしても、正しいデッサンで描かれた下絵なら、難なく線が入ります。
コンパスで描いた丸にペン入れをするのは、割と簡単なはずです。
重心ははっきりと丸の中心にありますから。
でも、自分が書いた丸にペン入れが出来ないというのは、
それはもう、その人のデッサンが曲がっているからとしか言いようがない。

デッサンがいびつだと、ペン入れによってそのいびつさが際立ってきます。
ここがプロの絵が最初から描ける人と自分の違いかなと思います。
だから、以前にこのブログで発言した、
「輪郭からペン入れする」
というのは、下絵のいびつさを矯正するための、苦肉の策だったりします。
先に輪郭を囲ってしまえば、中の線はそれ以上いびつになりようがないわけです。

とまあ、こういう話をアシスタントさん相手に一方的に話したりするのですが、
「なんかよくわからないです」
と困った顔をされるので、
「……ごめんなさい」
と謝るしかないです。

最近、作画作業が終わりまして、
ペン入れしている間ずっとこんなことばかり考えていたので、
ちょっとここに吐き出してみました。
デジタル全盛の現在では役には立たないかもしれないけど、
何かのヒントくらいにはなればと思います。

Photo
うん、まあ、左向きの絵はいまだに苦手なんですけどね。

2014年6月15日 (日)

忠臣蔵

月刊ヤングマガジンに「鉄子の育て方」五話が掲載されています。
今回は京急鉄道ということで、実際にカメラを片手に乗って来ました。

P1050826

P1050814

P1050868

P1050847

まあ、京急というと鉄道ファンの皆様にはものすごいこだわりがあるそうなので、
僕ごときが安易に語ってはいけないような気がします。

それで「泉岳寺駅」であります。

泉岳寺と言えば、時代劇ファンで知らない人はいないんじゃないかな。
赤穂浪士と浅野内匠頭のお墓があるところです。
宿敵吉良上野介の首を打ち取った大石内蔵助と四十七士は、
両国から高輪泉岳寺まで歩いてきます。
そして吉良の首を、主君浅野内匠頭の墓前に供するわけですね。

そういう場所ですから、僕もついついお墓参りに行ってしまいました。

P1050797

P1050799

写真は、大石内蔵助の像のみです。
お墓にカメラを向ける勇気は僕にはないや。
個人的に好きな堀部安兵衛と赤垣源蔵のお墓にも手を合わせてきました。

ここはお寺の中に売店もあって、休日は賑わうんだろうなと思うのですが、
僕が行ったときは誰もいなくて、店も開店休業状態でした。
そこで見つけたのが、赤垣源蔵の徳利だったりします。
お店の商品は撮影出来ないので、ネットで拾ったものですが、こんなの。

Photo312
これの大きいのがあった。

「うわ、俺これ欲しいわ」

と思ったのですが、店の人いないし、取材前に余計な荷物を増やしたくなかったので、
結局買わなかったのですが、今ちょっと後悔しております。買っときゃ良かった。

赤垣源蔵は四十七士のひとりで、
討ち入り前に兄の元に別れを告げに行き、不在であったために、
兄の羽織を前に酒を酌み交わす「徳利の別れ」がとにかく有名。
講談などでもお馴染みの題材で、あの三波春夫先生も歌っているらしい。
昭和初期のヒーローの一人ですね。

映画では坂東妻三郎、田村正和のお父さんですね、その方の主演映画があり、
これは自分もCSで観ました。
戦前の映画ですから、演出がずいぶん古風で、ちょっとのんびりしているのですが、
「徳利の別れ」を済ました後、
下女のお杉と別れるシーンは、とてもいいです。
そこだけ坂妻が輝いて見える。
兄嫁やら子供やらにさんざん馬鹿にされ、好いてくれた女には見放され、
それでも爽やかに笑っている。なんかカッコいいです。

ドラマだと、渡辺謙が仲代達也主演の忠臣蔵でやっています。
僕はこれが大好きで、何回か繰り返し観ています。
忠臣蔵 風の巻・雲の巻(1991年、フジテレビ)ですね。
吉良上野介が大滝秀治です。

渡辺謙の赤垣源蔵に、兄の家の下働きが小林聡美で、
この二人のやり取りがなんか楽しい。

討ち入りの前に一目兄と会って、今生の別れに酒を酌み交わしたかったのですが、
あいにくと兄は留守であった。
そこでお杉(小林聡美)に羽織を持ってこさせ、
それを前に酒を酌み交わすのです。
このあとのお杉と源蔵のやり取りがあるのですが、
「源蔵さま、どちらかへ行かれるんですか」
「遠いところに仕官の口があってな」
「左様ですか、この次のおいではいつになりますか」
「そうだな、来年の新盆には帰るだろう」
「新盆って、そんな縁起でもない」
みたいな会話が、コミカルなんだけどちょっと切ない。
つらい気持ちの時でも爽やかに笑って見せる、
男とはこうありたいもんだなと思います。

そんな赤垣源蔵の徳利が土産物屋に売っていれば、
ちょっと欲しくなりませんか?
僕は欲しいです。
自分は長男だけど、この徳利でしみじみお酒が飲みたいです。

最近は何でもかんでも女性化するのが流行っていますが、
忠臣蔵は絶対にやっちゃ駄目ですよ。
赤垣源蔵が美少女キャラになって、
お姉さまのセーラー服を前にティーカップの紅茶を飲みながらお別れするとか、
絶対に見たくないです。

見たくないですよね?

……なんか自信がなくなってきたけど、まあいいや。
他の忠臣蔵だと、今はお犬様になられた北大路欣也主演の忠臣蔵が好きで、
特に世良正則の堀部安兵衛がすごくいいです。
忠臣蔵(1996年、フジテレビ)ですね。
ドラマは確か年末にやっていたと思うんだけど、討ち入りの前の日に、
安兵衛の「高田馬場の決闘」がスペシャルで放送されて、
ここでの世良正則が、なんかロックしてます。
延々と大立ち回りが続くのだけど、これがとてもいい。
この回をリアルタイムで観てから、僕は堀部安兵衛って人が好きになりました。
(外見だけだと、大河ドラマの阿部寛が一番カッコいいと思うけど)

あとこれ、今ウィキペディア見て知ったところだけど、
北大路版は仲代達也の忠臣蔵と同じ脚本を使っているらしいです。
北大路欣也さんが是非にとお願いしたそうで、よほど気にいられたのでしょうね。
僕はこの二つが同じ脚本だなんて今の今まで気が付かなかったよ。

« 2014年5月 | トップページ | 2014年7月 »