無料ブログはココログ

amazon

  • PCソフト
  • DVDベストセラー
  • ベストセラー
  • ウィジェット

« 激辛 | トップページ | 文明開化の男たち~福沢諭吉~ »

2014年9月 4日 (木)

だらだら

 1

教育テレビで……今はEテレって言うんだっけ、
「セザール・フランク」のヴァイオリンソナタが特集されてた。
なんでも、日本で一番人気のあるヴァイオリンソナタらしいのだけど、
久しぶりに最終楽章のロンドを聴いたら、ちょっと感動した。
テレビの中のお姉さん二人もひどく感動していらしたので、
やっぱり日本人ウケする曲なのかな、と思った。

自分が初めてこの曲を知ったのは、吉田秀和の「主題と変奏」という本で、
大学の休み時間に古本屋を冷かしているときに見つけた。
確か「セザール・フランクの勝利」という短いエッセイのようなものだった。

吉田秀和先生は先年九十歳を越えたあたりでお亡くなりになったのだけど、
「主題と変奏」をお書きになった頃はまだ若手の音楽評論家で、
「あ、若い人が書いてるな」
というのがはっきりとわかる。
石を握りしめて音楽会に行き、シューマンのピアノ協奏曲を聴くくだりは、
「中二病だな」
と今なら笑ってしまうだろう。
いくら怒ってるからって凶器を持って音楽会に行っちゃいかん。

「セザール・フランクの勝利」もその調子で、
敬虔なオルガン教授が晩年の十年間に各ジャンルに一曲ずつ、
狙い澄ましたように傑作を書いていくのを、高揚した感じで書き記していた。

実際に音楽を聴いたのは1990年の「フランク没後100年記念コンサート」
みたいなラジオ番組で、ヴァイオリンソナタもその時に聴いた。
……演奏されたのはチェロに置き換えたものだったけれど。

このときに、例の最終楽章が「いい曲だな~」と感動したんだと思う。
それでこの曲が好きになって、この曲がメインのコンサートを聴きに行ったりした。

それから十年くらいは、「これが俺のテーマソング」ってくらいのめり込んだのだけど、
いくらいい曲でも十年も聴けば「もういいかな」となるので、
三十代になってからはめったに聴かなくなった。
デュメイが奥さんのピリスとこの曲の新譜を出したときはちょっと盛り上がったけど、
それもほんの一時のことだった。
いや、あれはいい演奏なんだけど、僕が繰り返し聴きすぎたのだと思う。

で、テレビで久しぶりにこの曲を聴いたのだけど、
あれ?と思うくらいまた感動した。
解説のお姉さんが高揚した感じで「このまま天国に行けそう」
みたいなことを言っていたけれど、まったくそんな感じ。
お葬式で流すには中間部が激しすぎるけど、それがなければ使ってもらいたいくらい。

……お姉さんの言ってた天国が別の意味の可能性もあるけど。

このあと、「伊福部昭 生誕100年記念番組」もあって、それも見た。
ゴジラのテーマソングを作った人。
これも面白かった。

ゴジラ、ゴジラ、ゴジラが来るぞ、ゴジラ

 2

八月に入って、ピタッと文章を書く気力がなくなってしまった。
まあ、死ぬほど暑かったとか、他にもいろいろ理由はあるのだけど、
仕事のメール以外は、ほとんどキーを触っていないんじゃないかと思う。

それで、いろいろ不義理もしてしまったのだけど、
原稿を送ったらちょっと書く気が戻って来たみたいなので、
リハビリみたいにキーを叩いている。

「鉄子の育て方」の七話が先月発売の月刊ヤングマガジン9月号に掲載されたのだけど、
気がついたらお盆進行で雑誌が月曜日に発売になっていたようで、
なんか、いつもみたいにコメントを出し損ねた。

七話はエアトレイン編で、以前にこのブログにも書いたけれど、
漫画での表現が難しいので後回しにした話だったりします。
このブログに書いたことで、地方のテレビ雑誌にそのコメントが載ってしまい、
ちょっと笑ってしまった。
(鉄子については担当さんにお任せしているので、印刷されるまで知らんかった)

脚本はずいぶん前にいただいていたのだけど、
ドラマがメ~テレ様で放送になって、それがずいぶん面白かったので、
「これをやらない手はない!」
と考え、やってみました。
ドラマを観てから執筆したのはこの回が初めてです。

なんとか傑作だったドラマのエアトレイン編を汚さないよう頑張ったのですが、
音が全部書き文字になってしまうので、音が体感できるよう、
自分なりにいろいろ工夫もしてみました。
恩義ある先輩から「おっぱい強調しすぎ」と注意されちゃいましたけど、
まあ、エアトレインと言えば鉄道の振動を全身で表現するものだし、
漫画の表現としてはあれでいいんじゃないかと個人的には思います。

 3

P1060673

久しぶりに秋葉原に行ってきました。
恩義ある先輩さんが息子さんと東京に遊びにいらした折、
お茶したり飲みに誘っていただいて以来です。

セルフサービスのコーヒー屋さんで、
奢っていただいたので、「僕が運びますよ」とトレイのコーヒーを持ったのはいいけれど、
階段を二階分登るときに何度もバランスを崩しそうになり、
命の危険を感じたのが懐かしいです。

それが確か今年の三月で、、
もう半年も経ってしまったわけで、時間の流れるのが本当に早いです。

秋葉原の街は、自分が上京した四半世紀前からずいぶん変わってしまって、
今では「おたくの聖地」みたいになっています。
僕が覚えているのは純然たる電気街だった秋葉原で、
ウインドウズ95の発売時にはコンピューター関係の仕事をしていた友人と、
歩行者天国をのんびり歩いたりもしました。

あの頃でもCD屋さんの二階に上がると二次元美少女の立て看板があったりして、
少しずつオタクの聖地っぽくなっていたのですが、
自分にとっては海賊版のCDを漁ったりするのが目的だったので、
アキバというと海賊版の街という印象です。
チェリビダッケとか、クライバーの海賊版を嬉々として買い漁っていたっけ。

今回は取材が目的だったのですが、出かける前にアシさんに、
「石丸電気とかまだあるよね」
と、例の海賊版を買った店の一つを尋ねたところ、
「とっくになくなりましたよ」
と言われ、しょんぼりしてしまった。

本当に、時間が流れるのは早いもんです。

今回町を歩いていたら、「ラブライブ」がブームらしく、
そのキャラクターのでっかい看板と音楽がいっぱい流れていました。
過ぎ去りし時代は今更戻ってはこないので、
こういう若者の文化にハマってみるのも、楽しいのかもしれない。

P1060664

クラシックの話といえば、今年は有名な指揮者がたくさんお亡くなりになりました。
一月にはクラウディオ・アバド、七月にはロリン・マゼール、
八月にはフランス・ブリュッヘンです。

特にフランス・ブリュッヘンは、
「モーツァルトはこの人のが一番いいかもしれない」と思い、
七月に集中的に聴き直していたところだったので、
新聞で訃報を知ったときは「え!」となった。

これで僕が知っている「大指揮者」というのがほとんどいなくなった感じがします。

自分が若い頃も、カラヤンが亡くなったりレナード・バーンスタインが亡くなったりして、
テレビやラジオが追悼番組を流しまくったりしたのですが、
(特にカラヤンはすごかったと思う)
今年はどうなんだろう、これだけの歴史的な名指揮者が亡くなったにしては、
メディアはずいぶん静かな感じがします。自分が知らないだけかもしれないけど。

クラシックはヨーロッパにとっては伝統芸能みたいなものなんでしょうけど、
「レコード」の出現がこの古い昔の音楽に現代に生き残る可能性を与えたと思います。
確かに、チェリビダッケのように「音楽は演奏会場で生で聴くものである」
と主張して、レコードを出さないという指揮者もいましたけど、
(だからこの人の演奏は海賊版で手に入れるしかなかった)
もっと積極的に、レコードとして売れるものを作ろうという指揮者も現れました。
その代表例がカラヤンで、この方のレコードはクラシックの代名詞というくらい、
世界中で売れまくりました。
CDが開発された時、カラヤンが演奏するベートーヴェンの第九に合わせて、
再生時間が決められた、なんて伝説まであるくらいです。

家電としてのステレオが一般家庭に入っていくのと歩調を合わせ、
クラシックも普通の人に手が届く音楽になっていきました。
そういう一般層にとって、音楽の帝王はカラヤンであり、
育毛剤のカロヤンと聞いて「プププ」と笑ってしまうのも、
それだけカラヤンという指揮者が有名だったからだと思います。

以前にもこのブログに書きましたけど、新しい発明があると、
その発明を極限まで生かした天才が出現し、それがその時代の文化になっていきます。
クラシックの分野ではそれはカラヤンで、
この人のレコードとともにクラシックは巨大な音楽市場となり、
この人の死とともに、クラシックは産業として一つの時代を終えたという感じがします。
あくまで個人的な感想ですけれど。

アバドもマゼールも、カラヤンが帝王として君臨していた時代の若手指揮者で、
日本の音楽ファンが彼らの名前を知っているのは、カラヤン時代の若手というイメージが、
頭に焼き付いているからではないかと思います。

同じことは漫画での手塚治虫、歌謡曲での美空ひばりでも起こりましたし、
たぶん、宮崎駿でも起こりそうな気がします。
縁起でもない話ですけど、日本のアニメにとってそれだけ革命的な人だってことです。
日本のポップカルチャーのためには、この先何十年でも生きてもらいたいもんです。

以上、だらだらと書いてみました。

« 激辛 | トップページ | 文明開化の男たち~福沢諭吉~ »

コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1669327/57275856

この記事へのトラックバック一覧です: だらだら:

« 激辛 | トップページ | 文明開化の男たち~福沢諭吉~ »