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2016年6月13日 (月)

太平記


この頃は「太平記」をすこしばかり勉強している。

「太平記」の時代は鎌倉幕府の滅亡から足利幕府の成立を経て、
南北に分かれた天皇が一つに統合される、いわゆる室町時代までになる。
かなりややこしい。
たくさんの人物が入り乱れ、共闘したり敵対したり、
途中からわけがわからなくなる。
さいとうたかお先生がコミカライズしたものも読んだけど、
このややこしい題材をよくぞ三巻にまとめたものだと、しみじみ思う。

メインで読んでいるのは、本郷和人さんの「人物を読む日本中世史」。
貴族や宗教者が自身の一族のために栄華を極めようとする時代に、
民衆のために生きる者たちへの共感があって、
そこがピーーーンと一本筋が通っている。

あとがきで、作者が「実はこれ、中世の政治史です」とネタ晴らししているけど、
「国」という大人数の寄り合いを統合して、秩序を作り出すシステムの成立過程が、
とても丁寧に追跡されている。
天皇の王権だけでは国はまとまらない。
そこで武家が立ち上がり、武家のための政治を始める。
武家の政治が専横を極め、腐敗し始めると、それを打ち壊し新しいシステムが生まれる。
そういういろいろな試行錯誤があって、江戸近代の徳川幕府が長い安定の時代を作り出す。

日本がラッキーだったのは、権力を握る人間にひどく横暴な専制君主もいたけど、
そうではない、滅私奉公の人も少なからずいたこと。

「財宝を独り占めしてこの世の春を謳歌するのだ!」

みたいな人は、勝手に潰れて残らなかった。
どこかに、自分を殺して秩序そのものに奉仕するみたいな良識が働いていて、
それを美徳として国家をまとめようとする力が存在している。
これは僕の勝手な表現なのだけど、日本人には精緻にまとまろうとする習性が、
あるように思われる。

だから、今話題の都知事の問題にしても、
あそこまで日本中の反発を買っているのだろうな、という気がする。
僕は東京都民だけど、あの人だけには票は入れまいと思ってましたよ。
今頃言っても遅いけど。

都知事選の投票のあった日は記録的な大雪があった日で、
外に出ると道路に数十センチの積雪があった。
投票所は近くの中学校だったのだけど、朝早くから必死に雪かきをしてる人がいた。
「これじゃぁ、投票率は期待できないな」
と思った。

その日は取材があって千葉のいすみ鉄道に行っていたのだけど、
その帰り、担当さんと選挙の話になって、
ネットか何かでMさんの当選確実が流れたのかな、

「かわすみ君の清き一票は生かされませんでした!」

と茶化されて、すごく悔しかった。
冗談抜きに、これで都政は停滞すると思った。
まあ、これも後出しジャンケンなんですけどね。

権力は、それを握った人が自分を殺さないと上手く機能しない。
これは、前提条件。
そこから、どれだけ味方を作って盤石な基盤を作り上げるかが大きい。
前都知事の猪瀬さんはここでしくじったのかもしれない。

「太平記」の時代は、政治の実権を握るための戦争の物語である。
ともすると、権力を握ることが目的で、
そのために戦をしているような気分になるのだけど、
「これは国家をどのように運営するのかの戦いなのだ」
と視点を決めて観察すると、なるほど、そこにはきちんとした物語が存在している。

今の時代に「自分の栄光より、万人のための滅私奉公」の考え方が、
どれだけ説得力をもっているのか、わからないけど、
それは素敵な考え方だと思うし、
そういう人が力を最大限に生かせる世の中であってほしいと、
テレビの前で祈ってしまうのですよ。

今月末に「昭和人情食堂」に漫画が載りますので、
その時にまた告知をさせていただきます。

P1100543


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