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2016年10月30日 (日)

昭和人情食堂No.4

明日10月31日月曜日に「漫画昭和人情食堂」No.4が発売になります。
「ごちそう編」ってことでお目出度い料理が盛りだくさんな内容になっております。
僕はなぜか「カレーライス」だけど。
巻末のコメントで「ご馳走」について語っていますので、微力ながら参戦ってことで。
全国のコンビニエンスストアーでの販売となります。
遠隔地での販売は少し遅れるようです。
北海道と島根の情報だと、週末くらいには発売になるのかな。
お忙しい中、コンビニ本をお探しくださる皆様には感謝の言葉もありません。
なんとなく手に取ってお買い上げくださったお客様にも、感謝です。
日々のお仕事の疲れを癒す、そんな漫画がいっぱい掲載されております。
何度も繰り返しお読みいただければ、これに勝る幸いはございません。
なんせ、このコンビニ本だと自分なんて若造っつーか、青二才っつーか、
「人生の諸先輩方」が思い入れたっぷりに執筆しまくってますから、
にじみ出る「人生」の味が濃いのなんのって。
自分は若輩なので、毎回かなり圧倒されております。

掲載作品について語るのは、ちょっと早すぎるかな。
巻末コメントについて。
「何かご馳走についてのコメントをお願いします」
とぶんか社のNさんからメールをいただきまして、書いた内容が、
「大みそかに父がハマチを一匹丸ごと買ってきて、それを正月中に家族みんなで食べた」
だったりします。

ハマチという言葉が関東圏では馴染みが薄いかもしれないけど、
養殖のブリ、またはブリの少しこぶりなやつ、って感じだと思います。
ブリだけにこぶり、ってか。(失笑)
自分のイメージだと、ブリの脂がいっぱいのってる奴って感じです。
これは
「養殖だと運動量が天然物より少ないので身に脂がいっぱいのっかる」
ってことらしいです。
まあ、ブリの若い奴だからってのもあるだろうけど。

このハマチが父親の大好物だった。茶わん蒸しよりも大好物だった。(過去記事参照)
今だから書けることだけど、店で出すのにお客様よりいいところを取ろうとして、
母に滅茶苦茶怒られてた。
だから、一度思う存分好物のハマチを堪能してみたかったんでしょうね。
年の暮れに「ブリか!」ってくらい大きなハマチを一匹丸ごと買ってきて、
台所じゃ狭すぎるってんで、風呂場で解体作業を始めた。
四十年くらい前の風景だけど、今でもはっきり覚えている。
風呂場を改装する前だから、小学校の四年生くらいじゃないかな。
風呂桶の横にむき出しのガス湯沸かし器がある、掘っ建て小屋みたいな風呂で、
コンクリートの台の上に簀子板敷いて、その上にウレタンのマットを乗っけていた。
ここが普段は洗い場なんだけど、そこに新聞紙かなんか敷いて、
夢中になってハマチの解体をやってた。
子供だったからなんだろうけど、ハマチはデカいなぁと頭に刷り込まれた。
ブリよりは小さいはずなんだけど、やたらデカく感じた。

これを身はサクにして刺身用、焼き物用に分け、頭とか尻尾とか、
アラの部分は乱切りにしてボウルに選り分け、大量の塩を振っていた。
こいつは冷蔵庫に保管しておいて、先に刺身から食べ始める。

ハマチの身は薄い肌色と紅い筋肉の部分のコントラストが素晴らしく、
ときどき銀色の皮が残っていたりして、この配色がなんとも食欲を駆り立てる。
イナダじゃ若すぎるし、ブリじゃ身が歳をとりすぎている。
ハマチだからこその、脂ののり具合なのだろうと、ちょっと力説してみる。
普段はお客様に出してしまう一番脂ののったところは、当然父親が食べる。
これだよこれ、こいつを俺は食べたかったと、
濃厚な脂の味に父は酔いしれたことだろう。

僕は三人兄弟の長男なのだけど、父親と一緒に紅白を観ながらハマチを食し、
「なぜに大みそかにハマチ?」
と疑問に感じながらも、父が太鼓判を押すものはやっぱりおいしいなと、
素直に関心したのでした。
今でもパブロフの犬よろしく、イナダやブリの刺身をスーパーで見かけると、
ついつい買い物かごに突っ込んでしまう。
人の好みは二親から遺伝するという、典型的な例だと思う。

ブリを正月のご馳走にするって地域は、地方になると多くなるのかな。
昔、サライって雑誌で特集記事があったと思う。
「ブリ対シャケ」みたいな感じの奴。
だから正月にブリを食べるっては、案外普通のことなのかもしれない。

正月三が日は身の方を照り焼きにして食べる。
火を通して白くなった身は味が濃くて、醤油のタレによっていっそう香ばしく、
クセになる味わいになる。人はこれを「ブリの照り焼き」という。
正月の参拝を終えて親戚周りなんかも済ませた後、
僕は友達とゲイラカイトって凧を上げてひとしきり遊んでから、
おせちをつまみながらこの照り焼きを食べたわけだ。
どうでもいいけど見なくなったな、ゲイラカイト。

で、とどめが例のアラを使ったアラ汁だったりする。
頭部を解体しているので、当然目玉の部分も入っており、眼肉は父曰く、
「大当たり!」
となる。
のちにすっぽん鍋を食べたとき、すっぽんの頭を咥えて踊り狂った自分だが、
この当時はゲテモノが大嫌いで、イワシの頭でさえ残して食べていた。
白い球が汁の中に沈んでいる状態ってのは、小学生の自分にはちょっとしたスプラッタだ。
エクソシストだ、オーメンだ、フライデー13thだ、バタリアンだ。
まあ、食べたんだけどね。長男特権というか、長男に食べさせたかった父親の気持ちは、
この年になるとなんとなくわかる。
今でも兜焼きなんかは大好きだけど、目玉をしゃぶる境地まではなかなかいかない。
「それがおいしいんじゃん♪」
と通の方はおっしゃるけれど、
目は心の窓ですぜ。眼肉を楽しむくらいが僕の限界です。

塩を抜いたアラは残った塩味も効いているけれど、
骨にくっついている身もスルリと取れて、それがなんともおいしい。
骨をしゃぶるようにしてアラの味を楽しむ。
それに、アラの味の出た汁がまたおいしいんだよな。
この汁の味は小学生の僕をすっかり夢中にさせた。
名古屋出身の僕は、みそ汁と言えば赤だしだけど、
このアラ汁の味を覚えて以来、断然白みそ派になりました。
僕は名古屋の裏切り者です。
ういろう?きしめん?
日本にはもっとうまいもんがいっぱいあるんじゃい!
まあ、ときどき無性に食べたくなるんですけどね、赤だしもきしめんも。
ういろうは食べると「こんなもんだっけ?」と物足りない気持ちになることが多いけど。

と、これが80文字制限のコメントに書ききれなかったご馳走の思い出だったりします。

他にもご馳走の思い出はあるんですよ。
母の弟さんが「名古屋の親戚はもっと結束しなくてはならない」と考え、
川隅家と奥家合同で食事会を企画したことがあって、
このときは名古屋駅前の「ロゴスキー」だったかな、ロシア料理のフルコースを食べた。
普段貧乏な自分には、「フルコースひえーーーー」
っておっかなびっくりだったけど、
カップにパイが乗っかっていて、それをスプーンで突き破るスープとか、
小学生にはずいぶんと異国情緒たっぷりの「ご馳走」だった。
ピロシキもおいしかった。
なんせ、あの時親に買ってもらった服が青かったことまではっきり覚えている。
だから、ちょっとした大冒険だったんだと思うよ。

でもこれは説明が長くなるからパス。
弟さん、つまり僕にとっては平作叔父さんなんだけど、
奥さんがハイカラな方で、
ある日近所にある一軒家の前を通ったら家がピンクに塗られていたこともあった。
僕よりいっこ下の従妹の子と妹ちゃん、弟くんの二姫一太郎だった。
この家は親戚周りでお伺いすると毎回ご馳走が出てきた。
前に「お寿司のわさびがうんたら」って書いたのはこの家の話で、
唐揚げも手の込んだやつを奥さんが作ってくれた。
二姫一太郎の家はなんか華やかだな、ってのが僕の印象。
野郎三兄弟の家とは何かが違う。
長女はやんちゃでかわいかったけど、僕の知り合いがかっさらって行った。
話を聞いたとき、なんであいつの名前がここで出てくるんだ?と、
かなりびっくりさせられた。ヤンチャな旦那とヤンチャな奥さんのベストカップルだ。
話が脱線した。

母も弟さんも、三重の山奥……ってか海沿いの山奥の熊野から名古屋に出てきているので、
「一族が一体になって頑張らなきゃ」
って思いが、当時の叔父さんの中では強かったんだと思う。
たぶん、奥さんに対する見栄もあるんだろうけど。三重県出身だけに。(もうええって)
身内で「頑張ろう」って気持ちが「ご馳走」って形になるんだろうなって、
僕は叔父さんちの料理から学んだ。
まあ、ずっと後になってからそう気が付いたって話で、
小学生の頃は「俺はあんなハゲ頭にはならないぞ!」って
奥家の忌まわしき因縁を嫌ってたけど、薄毛になればその因縁も妙に愛おしい。
まあ、まだ生えてるんだけどさ。

しばらくは漫画の解説が続きます。


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