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2017年3月10日 (金)

ガンダム


ガンダムについて語ってみる。

ガンダムは、ロボットアニメだ。
僕が小学生の頃に名古屋テレビで放送していた。
でも僕は裏番組の「天才クイズ」を見ていたので、
本放送時には全く見ていない。
ただぼんやりと、
「スターウォーズの影響を受けてるな」
くらいに思っていた。
ロボットは鎧武者風だし、光る剣を使うし、
チャンバラロボットアニメだと単純に考えた。

宇宙世紀0078、人類は悪の帝国の攻撃を受けていた。
正義の少年、アムロ・レイは森田健作バリに剣道の達人で、
スーパーロボット「ガンダム」に乗って、
悪いシャアと剣技を競う、だと思っていた。

シャアのセリフで「当たらなければどうということはない」ってのがあるけど、
「どうということはない」というのも、当時の時代劇で多用されたセリフで、
栗塚旭あたりが喋っているイメージが、僕にはある。
僕はシャアは栗塚旭演じる土方歳三あたりがモデルではないかと思っている。

それか、仮面の忍者赤影。ちなみに赤影役の坂口祐三郎と栗塚旭が、
時代劇の撮影現場でお姉言葉で雑談していたら、監督に怒られた、というエピソードが、
あったはずだ。
妖しい二枚目である。

僕がガンダムをちゃんと見たのは、たぶん中学生になってからじゃないかと思う。
クラスの男子がその話題で盛り上がっていたので、僕も見なくちゃと考えた。

考えていた「僕のガンダム」と「機動戦士ガンダム」はまったく違っていた。
富野由幸監督(改名前)がスポンサーを騙して、やりたいようにやったってのは、
知ってる人には有名な話だけど、
子供向け玩具販促アニメの皮をかぶった本格SFだと思った。
目新しい点はいっぱいあるのだけど、

●主人公が正義の怒りに燃えていない
●敵のロボットが同じのを使いまわししている
●ヒロインがヒロインしていない

というのが、新鮮というか「よくこんなの作ろうと思ったな」と衝撃的だった。
ロボットアニメの定石破りだったのは間違いない。
結果、オモチャが売れなくてクローバーは倒産し、その権利はバンダイに移った。
あくまで子供向けのオモチャにこだわり、ミサイルやらキラキラデカールに固執した、
クローバーの失敗だったのだけど。

ガンダムの面白さはロボットのデザインの面白さにあると思う。
スターウォーズのストームトルーパーやダースベイダーを下敷きにしているのだろう、
「スターウォーズが受けてるんだから、これでやれば子供たちにウケまっせ」
と、スポンサーを欺く監督の声が聞こえるようである。

ザク、なんてのは間違いなくストームトルーパーのロボット版だろうし、
アニメの中でもロボットの足軽、みたいな扱いだった。
実際、ランバ・ラルのグフが出てくる12話まで、三か月間もザクと旧ザクだけで通した。
敵メカの多彩さを望む子供たちはあっけにとられ、脱落したんじゃないかと思う。
クローバーの企画部は真っ青になったことだろう。

でも、そのような「兵器」としての量産システムのリアルさが、
「本物志向」の若者たちの琴線を震わせた。
ザクの基本色が戦車のような緑色だったのが大きい。
それは戦車のように量産され、戦車のように実用されるロボットだった。
だから、クローバー倒産後にバンダイが権利を買い取って、模型として販売したとき、
爆発的なヒットにつながった。模型ファンが戦車を作る感覚で、ガンダムを作ったのだ。

小学校当時の僕は近所の模型屋によく出入りしており、M4シャーマンとか、
タイガー(今はティーガーっていうんだっけ?)とかを眺めて、
「かっこいいなぁ」
と憧れた口だけど、本格的な模型の敷居は高かった。
それが、わずかな小遣いで戦車みたいにロボットを作れるというのは、斬新だった。
ストーリーがどうのこうのとか、ニュータイプがどうのこうのより、
戦車みたいにロボットが作れる、ってのがとにかく「楽しかった」のだ。

実際、ホビージャパン主導でガンダムのモビルスーツのリアル化はどんどん進んでいった。
戦車や戦闘機の模型を作るときのノウハウが、「たかがロボットアニメ」に
どんどんと投入されていった。
土と接触する部分は金属がはげ、地金が露出するのが当たり前だし、
排気口には煤が黒い痕跡を残すし、コクピット周りには手すりや操作パネルが必要だ。

ガンダムのロボットには、そういうリアリティを投入する幅があったし、
そうやって「模型のプロ」が改造したモビルスーツは、いかにも本物っぽかった。
ガンダムという作品が模型のプロの創作欲を刺激するだけの戦場のリアルさを持っていた、
というのが、あの当時のガンダムブームの一端だったのは間違いない。

そのリアルさの追求は「ザブングル」「ボトムズ」「ダグラム」なんて作品に継承され、
ある時点でピタリと止まった。
模型ファンが質的に変化して、戦車のようなリアリティをロボットに求めなくなった、
とも考えられる。実際、ZガンダムとかZZとか、エルガイムなんかのデザインは、
戦車よりはスポーツカーのような洗練されたデザインであり、
そちらの方が新規のファンのウケが良かった。

第二次世界大戦の記憶が生々しかった時代が遠ざかるにつれ、日本の空気も変わったのだ。

今度、お台場あたりに実物大のガンダムの代わりにUCガンダムを作るという話がある。
「え?」
と耳を疑ったのだけど、あれを実物大で見たいものかなあと不思議に思った。
おじさんがなんで不思議に思ったのかは、上の文章からなんとなく伝わるんじゃないかな。
21世紀のガンダムは「リアル」なガンダムではなく、もっと洗練された、
鉄の匂いのしないガンダムなのである。
それを実物大で作るのは、どんなものだろうと素朴に疑問だったのだ。

ここに時代に取り残された古い地球人がいる、というお話なのでした。

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