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2017年5月 5日 (金)

端午の節句

「ちはやふる 神代もきかず 竜田川 唐紅にみずくくるとは」

という百人一首の有名な歌があって、落語のネタにもなっているのだけど、
相撲取りの竜田川が吉原遊女の千早に振られ、神代にも相手にされないという、
そちらの話のほうが妙にリアリティがあって頭から離れない。

風流な歌なんだろうけど、男の悲哀も感じてしまうのは全部落語家が悪い。

作者は在原業平で、こちらは伝説では超イケメンでモテ男ってことになっている。
なおさらたちが悪い。
「伊勢物語」を中学だったかで古典の時間に勉強して、
「カキツバタ」の頭の文字で歌を詠んだ、みたいなことはなんとなく覚えていて、
在原業平というと「カキツバタの色男」と僕の中ではインプットされている。

ぶんか社さまの「昭和人情食堂」が今全国のコンビニで売られていますが、
そこに菖蒲の出て来る漫画を描かせていただきまして、
それからずっと「あやめ菖蒲にカキツバタ」って言葉が頭の中を回転しております。
こいつらみんな似たようなツラしやがって、区別がつかねえんだよ、の意味です。

僕は区別できない。目の前に出されてもどれが菖蒲かカキツバタだかわからない。
カキツバタというと尾形光琳の「八橋図」らしいのだけど、
これも僕はずっとアヤメだと思っていた。

Img_01

今文字変換していて気がついたけど、アヤメも漢字だと菖蒲ってしょうぶと同じなのだ。
ああややこしい!

で、この尾形光琳の「八橋図」は先程の「伊勢物語」を絵にしたものだそうです。
だから、カキツバタなのですね。
事情の知らない人はみんな「アヤメの絵」と思ってそうだけど。

上京した当時、業平橋(これも在原業平からきている)のあたりに
お世話になっている方がいて、メチャクチャ美人の奥様だったのだけど、
そこに江戸川区から京成電鉄で向かう途中に菖蒲園への乗り換えがあった。
僕はそちらには行ったことがないのだけど、東京の人は菖蒲が好きなのだなと、
なんとなく刷り込まれている。

この美人の奥様の旦那様の紹介で江戸川区のラーメン屋さんでバイトしたのだけど、
そのラーメン屋の近くにも菖蒲園があった。今でもあるんだろうと思う。
花菖蒲の季節には紫の花が咲き乱れてきれいだったなぁ。
藤の花もそうだけど、春の終わりの五月から梅雨本番の六月まで、
紫の花が続くのは気分的にはものすごく心地よい感じがする。
穏やかな気候が目に優しい色彩とマッチしているのかもしれない。

そのラーメン屋の近く、京成電鉄の駅の前に銭湯があって、
そこの菖蒲湯にも入った思い出がある。
頭に菖蒲の葉を巻いたりしてね。すっかり気分は江戸っ子でした。

菖蒲と花菖蒲。
僕はこの二つをずっと結びつけて考えていたんだよな。
ここの銭湯は菖蒲園が近いから、菖蒲には不自由しなくていいなって。

で、今回そういう漫画を描かせていただいたんだけど、
執筆途中で判明したんですよ。
菖蒲湯の菖蒲と菖蒲園の花菖蒲が全くの別物だって。

銭湯なんかで使う菖蒲が本物の菖蒲で、こちらも花は咲くんだけど、
あんまりきれいな花じゃない。
花菖蒲はアヤメ科だったかな。なんでかこっちの方が菖蒲っぽくなってしまった。

もうね、なんというか「アヤメ菖蒲に花菖蒲にカキツバタ」ですよね。
そこらじゅう菖蒲のドッペルゲンガーだらけ。

今日、菖蒲湯に入る方もおられるでしょうが、
「これはきれいな花が咲くんだよな」と勘違いなさらないように。
僕は三十年近く、勘違いしておりました。

これもみんな花菖蒲なんて微妙な名前をつけた昔の人が悪いと、
僕は思います。

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