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2017年9月23日 (土)

対話篇4ープラモデルー

対話篇8

師匠「♪」
弟子「師匠がロボットのプラモデルを作っている」
師匠「たいよーのきばー♪」
弟子「ノリノリである」
師匠「だーぐらーむ♪」
Img_0101

弟子「五十近い爺さんが子供みたいで見てられない」
師匠「……うるさいなぁ」
弟子「なんなんですか、それ」
師匠「太陽の牙ダグラムだよ。八十年代初頭にテレビでやってたサンライズアニメ」
弟子「さんらいず?」
師匠「アニメ会社ね。ガンダムでリアルロボットアニメのブームに火をつけたとこ」

弟子「体はガンダムみたいなのに、頭がヘリコプターの操縦席みたいだ」
師匠「メカデザイナーは大河原邦男さんでね。当時の子供はみんなお世話になってる」
弟子「たとえば?」
師匠「タイムボカンシリーズ。特にヤッターマンのメカは有名」
弟子「あのすっとぼけた犬のロボットですか!」
師匠「やったーワン!」

弟子「へえーすごい人なんですね」
師匠「元々デザイナーさんだったって聞いたことがある。デザインに奥行きがあるんだ」
弟子「奥行き?」
師匠「裏側まで見通せるっていうか、立体化しやすいデザインなんだよ」
弟子「つまり?」
師匠「おもちゃ会社が商品にしやすいデザインってこと」
弟子「なるほど」
師匠「ガンダムA誌で最新の家庭用旋盤を嬉々としていじってた姿は微笑ましかった」
弟子「工芸的なデザインセンスが要求されるんですね」
師匠「そう」

弟子「ガンダムもこの方がデザインしてるんですか」
師匠「基本のラフが冨野さんで配色とアニメ用の調整が安彦先生だったはず」
弟子「色は違うんだ」
師匠「おもちゃ会社が白いロボットじゃ売れないって企画会議で注文をつけてね」
弟子「バンダイ?」
師匠「いや、当時権利を握ってたのはクローバー。で、安彦さんがその場で色を決めた」
弟子「あの青やら赤の配色ってそんな行き当たりばったりで決まったんだ」
師匠「トリコロールカラーは子供に受けるって言われてたんだ。ドラえもんとか」
弟子「ああ、ガンダムとドラえもんはなんか似てる気がする」
師匠「色は同じだよね」

弟子「大河原さんがデザインした部分は案外少ない?」
師匠「いやいや、あの造形は素人じゃできない。どの角度で見てもガンダムってわかる」
弟子「ほう」
師匠「足とか、大河原節だよね。ふくらはぎがものすごくセクシー」
弟子「ロボットにセクシーさはいらんでしょ」
師匠「それまでのロボットのデザインにはなかった部分だよ。ここ重要」

弟子「で、その人がデザインしたのがその……ダグラム?」
師匠「キャノビーが戦闘ヘリっぽいのが革新的だよね」
弟子「子供に受けたんでしょうか」
師匠「どちらかというとガンプラブームで模型に目覚めた層がターゲットかな」
弟子「バンダイ?」
師匠「タカラトミーだね。バンダイとはライバル関係にある」
弟子「売れたんですか」
師匠「売れたねぇ。おかげで本編のアニメも放送が延長されたくらい」

弟子「ほう」
師匠「外国のカメラマンの写真集を見ていたらソルティックが映ってて笑った」
弟子「ソルティック?」
師匠「コンバットアーマーね。ガンダムで言えばザクみたいな敵方のロボット」
弟子「次々と訳の分からん用語が飛び出してくる……」
師匠「ダグラムはストーリーが政府VS反政府ゲリラだったからメカがリアル志向なの」
弟子「ああ、ベトナム戦争っぽい感じなんだ」
師匠「高橋良範のリアル戦争ものはボトムズで頂点を迎える」
弟子「もう何が何だかわからない」

師匠「ゲリラ側が最新の兵器を手に入れて大活躍♪」
弟子「ものすごく物騒な話ですね」
師匠「一途なヒロインとのラブ要素もあるよ」
弟子「なんかものすごく頬がこけてるんですけど」
師匠「リアル志向」
弟子「わざと萌え要素を排除しているようにしか見えない」
Img_0109_2

師匠「そのダグラムのプラモデルを知人からいただいてね、半年くらい放置してたんだ」
弟子「なぜダグラム?」
師匠「さあ……出来がいいから作ってみろ、みたいな話じゃなかったかな」
弟子「実際、素組みのプラモデルとは思えない完成度ですね」
師匠「作ってて思い出したよ。僕、八十年代にもダグラムのプラモデルを作ってる」
弟子「なんと」
師匠「キャノビーとか必死に色を塗ってた記憶がよみがえってきた」
弟子「……」
師匠「関節の可動部分にポリキャップを使った最初期の模型じゃなかったかな」
弟子「……忘れてたって事実に驚きですよ」

師匠「あの当時はいろいろ作ってるからね。ダンバインも最初期のを買ってる」
弟子「すごいんですか」
師匠「頭のデザインが不評ですぐに修正してるんだ。その修正前の不細工なやつ」
弟子「今ならそっちの方が価値がありそうですね」
師匠「パテで修正してアニメのデザインに近づけたんだ」
弟子「もったいない」

師匠「八十年代初頭の男の子はみんなプラモデルに手を染めたもんだよ」
弟子「……そうかなぁ。師匠のオタク趣味のような気がするけど」
師匠「部屋がシンナー臭くなって父親に怒られた」
弟子「そりゃそうだ」
師匠「一日働いて家に帰ってきてシンナー臭いのは耐えられないと」
弟子「そっちですか。シンナーは不良の代名詞だからやめろって話かと」
師匠「アンパンね」
弟子「アンパン?」
師匠「シンナーの瓶をパン屋の袋に入れて吸うの。で、注意されたらアンパンですと」
弟子「いろいろ無駄な知識が飛び出してくる」

師匠「でもダグラムの頃には水性ホビーカラーが普及し始めてたから臭くはなかった」
弟子「師匠がプラモデル好きとは知らなかった」
師匠「いや、今回ダグラムを作ったのが三十五年ぶりくらい」
弟子「あらら」
師匠「資料用のボーイング747とか作ったことがあるけど、模型熱は完全に冷めてた」

弟子「で、作ってみた感想は?」
師匠「ふるえたね」
弟子「魂が?」
師匠「指先が」
弟子「じいさんですか」

師匠「普段ペンを使うくらいしか細かい作業をしないから、自分の耄碌ぶりにびびった」
弟子「米粒みたいな部品が多いですもんね」
師匠「でも途中からスイスイ組み立てられるようになった。老化防止にいいのかも」
弟子「どんどん話が老人臭くなってくる」

師匠「いやいや、マジで指先がプルプル震えてたのが最後の方は完全になくなってたの」
弟子「ふーん」
師匠「それに、完成したときの充実感がものすごい」
弟子「さっきからニャニヤいじりまくってて気持ち悪いんですけど」
師匠「だって、素組みでここまで完成度が高いとは思ってなかったからさ」
弟子「確かに良く出来てますね」
師匠「色を塗らなくてもここまでのものが出来てしまう、この技術はすごいと思うよ」
弟子「老人ホームで模型を作る爺さんがはびこる未来が見えるようだ」
師匠「本当にそんな時代が来るかもね」


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