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2019年1月14日 (月)

梅原猛さん

梅原猛さんがお亡くなりになったな。
自分も中くらいには長く生きているので、このブログも故人の追悼記ばかりになる。

二十代の頃、アシスタント先で先輩に「梅原猛」の名前を出したところ、
「某御大先生の本棚にはそればっかりだよ」
と苦笑していたりした。なるほど、その当時に連載されていた作品には、
なんかそれっぽい空気があったな、と思う。

そういえば手塚治虫の火の鳥太陽編も、日本の神と仏教の戦いになっていて、
それまでと神に対する考え方が変わってるんだけど、あれは梅原さんの考えに
影響されているんじゃないか、そういう匂いがするなと発売当時は思ったっけ。
真相はともかく、昭和の漫画家さんには結構影響を受けている人が多い。

いわゆる、歴史学の本道ではない。もともとは京都で哲学をやってらした方だ。
その方が日本の古代史についての本を出していたのだから、
その著作はアカデミックなものとはずいぶん変わったものとなる。

今となっては自分が何を読んでこの方の本を買い漁っていたのか、さっぱりなのだけど、
「隠された十字架」は代表作であるし、面白かったからよく覚えている。
法隆寺は藤原氏が聖徳太子の怨念を封じ込めるために作ったお寺である、
でないとなんであんなおかしな建築にしたのかわからない、
という話である。

本堂だか五重塔だかの入り口の真ん中に柱があるとか、
仏像の背面に釘が打ちつけてあるとか、
推理小説の探偵の様に謎を解き明かしていくのも面白かったが、
その論理を展開させる過程で出てきた、
「日本のお墓はなぜ巨大な石を埋葬した遺体の上にのせるのか」
という話が、なぜかはっきりと記憶に残っている。

いわく、死者がこの世への未練や恨みで蘇らないようにするため、というもので、
「ゾンビにフタをする」式のとんでも理論なのだけど、
たとえば菅原道真とか、朝廷の権力争いに負けて九州に左遷されたのち、
お亡くなりになって、その後ライバルたちが怪死するわ、雷が落ちるわで、
「死者が呪ってるんだ」って話になって、それで朝廷がしたことは、
名誉を回復し、天満宮を作って神として祀ることだった。

梅原猛さんは、死者の呪いにフタをするために、これを祀るのが日本人の古来からの習性、
と看破したのだった。恭しく美麗に飾るけど、それは「ゾンビにフタ」なのであって、
華やかな外見の裏には呪いに対する恐れと忌避の感情がある、とのこと。

で、その流れの上で、法隆寺は聖徳太子の怨念を封じ込めるための寺、
という発想につながっていく。
本を押入れから引っ張り出すのが億劫なので記憶だけで書くけど、
太子の死後、藤原氏が太子の一族を滅亡させたことで、その怨念に祟られることを恐れ、
法隆寺を建立した、そのため、この寺には怨念を封じ込めるためのカラクリが、
あちこちに施されている、という流れだったと思う。

歴史学者の考証学的な学問というよりは、直観によるところが大きく、
それを「定説」とするためにはいろいろ足りないところもあるのだけど、
僕がだいたいが直観で行動する人間なので、
この説はかなり面白いし、説得力があるなとと夢中になった。
日本の通俗的な古代史のガイドブックなんかでも、一つの面白いネタとして、
紹介されていたりなんかする。

隆慶一郎の「影武者徳川家康」なんかもそうだけど、
作者が「とんでも理論」とされかねないものを、確信をもって書いていたりすると、
そこにとんでもない熱が生まれて、読者もそれにつられて夢中になったりする。
おかげで、僕には法隆寺は聖徳太子の呪いにフタをするものであるし、
徳川家康は関ケ原以降は影武者二郎三郎ということになっている。

と、テレビで市原悦子さんの逝去が報道されている。
ヒルダが……いや、家政婦は見た!の有名女優さんだな。
ヒルダ……アニメの声優さんとしても創成期の方だったりする。
「君の名は」にも出演していらしたと、今報道されたところだ。
なんとも特徴的な声の方で、僕などはその声で育ったと言ってもいいくらいだ。
なんか、幼少期の本能的な部分をくすぐられる。

ご冥福をお祈りします。


追記

後になっていろいろ記述の間違いがわかって修正してます。
お寺の名前とか……早朝起き抜けに衝動的に書いてるから、
どうもいいかげんになってしまいます。ごめんなさい。

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