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アニメ・コミック

2018年3月21日 (水)

春はまだかいな。

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3月に入ってだいぶん暖かくなったなと思ったら、今日になって急転直下っすよ。

朝起きたらえらい寒いんですわ。
まあ、先日まで暖かかったから相対的にそう感じるだけかもしれませんが、
とっとと春になってくれないものか。

スロマガの旅打ち漫画の方は、今2010年の旅打ちを描いてるんですけど、
「ついこの間のことだよな」
なんて思ってると、ずいぶん違うところが出てくるもんです。

八年前です。スカイツリーまだ出来てません。つまり地デジ放送に完全移行してない。
僕は間違いなくアナログでテレビを見ていた。
旅打ち人が使う携帯はガラケーです。
スマホもまだみんなが使うところまでいってない。

フジテレビはまだ民放の覇者としてブイブイいわせてたんじゃないかな。
「笑っていいとも!」は絶賛オンエアー中で、お昼には毎度タモリの顔が見れた。
あの当時の自分に、
「フジテレビは八年後に民放の最底辺を徘徊するようになるんだぞ」とか、
言ってもたぶん信じない。

この時代に小学生だった子は、今大学生くらいじゃないかと思うけど、
「世の中ずいぶん変わったな」
と思うんじゃないかな。昭和世代には目に見えて大きな変化はないように感じるけど、
良くも悪くも、世の中は大きく変化している。

僕は昭和43年生まれで、子供のころに周囲の大人が「昨日まで戦争やってたのにな」
と話すのがものすごく不思議だったのだけど、今ならわかる。
三十年前のことがつい昨日のことのように回想出来てしまうから、
「あの人らにとっては戦後はものすごい変化だったろうな」
と理解できてしまうのだ。おそろしいなアラフィフティ!

こうなってくると、江戸時代なんてのもついこの間のような気がしてくるし、
大坂で太閤秀吉がでっかい城を作ったのも、割と最近のような気がしてきてしまう。
実際、いまだに古文書が発見されて「あ、そうだったんだ」みたいなことが多い。
何か月か前の新聞でも、オランダで宣教師の書いたものが解読されて、
「今、大坂の港にいるのですが、住民たちが徳川軍が城を囲んでいると噂しています」
なんてレポートが見つかったりして、なんか妙に生々しかったりする。

そこまでいかなくても、自分は一か月に一回くらいは日記をつけているので、
……それはもう日記じゃないというツッコミもあるだろうけど、
2010年ごろの自分も、割と正確に思い出すことが出来る。
あの頃の自分も、
「春だ、今年こそ桜を見に行くぞ!」
なんて書いていたりして、人間がまったく進歩していない。

世の中があんまり変化していないのは、自分が全然変化していないってことなんだな。

2018年3月12日 (月)

インクがにじむ

P001_3

原稿は基本的にインクをペン先につけながら描いているのだけど、
東京は先週雨の日が続いて、インクが紙に滲みまくって難儀した。

Gペンで漫画を描くのは、その方が繊細な絵が描けるからなのだけど、
その線がにじんでしまっては意味がないので、途中からピグマに変えた。

いちおう僕のペン入れするときの順番を書いておくと、
・人体の左側のラインを上から下に引く
・紙をひっくり返して人体の右側のラインを引く
・紙を回転させながら頭頂部のラインを引く
で、それから目のペン入れに入るのだけど、
これは頭蓋骨をはっきりイメージ出来た方が目を立体として正確に描けるからで、
まあ、そういう順番になる。

この描き方だと実はピグマの線でもつけペンの線でも、そうそう大きな違いは出ないので、
ペン入れのスピードを考えたら、実は全部ピグマで描いた方が早いのだな。
基本的に上から下への真っすぐなラインしか引かないわけだから。
(手首をクルクル回転させながらピグマを使うと一発でマーカーと分かるラインになる)

原稿描きながら息抜きに落書きしてたら何ページか漫画のネームになってしまったので、
冒頭部分だけピグマで仕上げてみた。
いやいや、こんなことやってないで原稿描けよって話なのだけど、
まあ、息抜きだから勘弁してください。(どこに向かって言い訳してるのやら)

今回使用したピグマは輪郭が「0.3」「0.1」で、目とか細かい部分が「0.05」。
僕は筆圧が結構強い方で、先日買ったばかりの「0.05」の先端を折ってしまった。
あれは本当に細かいところを繊細に仕上げるためのもので、主線に使ってはいけない。
指先なんかは「0.05」を使って丁寧に描いている。

吹き出し部分は、紙を回転させるのがめんどくさいので、
「0.5」でクルッと丸を描いてる。だからまあ、綺麗な丸にはなってないのだな。
でも吹き出しは人間の息みたいなものだから、形が少しいびつな方がなんだかそれっぽい。

あ、そうだ。
髪の毛の中のライン。輪郭は反時計回りで描いてるけど、
なぜか髪の毛のラインは時計回りになる。
たぶん、髪の毛の影のラインになるからだと思うけど、
人体の左の髪の毛は紙を反転させて引いてる。
でも髪の毛の内側、長髪の裏側なんかはこれと逆になる。

目についても、ペン入れの順番があるのだけど、
ここは結構短いスパンで描き順が変化してるので、まだ確定していない。

うん、見事に技術的な話しかしてないな。
いまスロマガの方が歴代旅打ち人列伝になっていて、
基本的に若いナイスガイを描きまくってます。
ものすごく細かいエピソードが数珠つながりで出てくるので、
「これはライドさんのときのような絵だとページが足りねぇ!」
となったので、昭和時代のギャグマンガ調になってます。

個人的なことだけど、あの時代のギャグマンガの絵って、
理詰めで突き詰めていくと、ものすごく機能的に出来ていたりします。
「ああ、こういう理由でこのラインはこんな風にふくらむのか」
と連日新しい発見を繰り返しています。
昔の人はすごいなと、純粋に感動しています。

これはたぶん日本画の技法の流れなんだろうなと思うものもあったりします。
僕がこのブログで浮世絵の話を突然始めるのは、まあそんな理由なのだな。

うん、やっぱり技術的な話になるなぁ。
絵を描いてるときに並行して文章を書くとどうしてもこうなってしまうのだな。

2018年3月 7日 (水)

呼吸について現時点で語れるだけ語ってみた

「呼吸」ってもんに、ものすごくこだわっていたりする。

昔、作家の村上春樹さんがボストンマラソンに参加されたことがあって、
その理由というのが、
「長い文章を書くためにはそのための呼吸を作らなくてはいけない」
みたいな話だったと思う。(ホノルルマラソンだったかもしれない)

村上春樹さんの文章に呼吸のリズムがあるというのは、読んでるとなんとなくわかる。
ものすごく極端な話、短編作品で、
「あ、ここで一回休憩をいれたな」
というのが露骨にわかるものもある。
それくらい、この作家さんは文章の呼吸にこだわっている。

「正しい文章」というのは勉強を重ねれば、たいてい書けるものだと思うけど、
そういうお役所仕事の文章ではなくて、本当に人を惹きつける文章というのは、
意識的にしろ、無意識にしろ、呼吸のリズムを反映している。

女性の書く文章にも、女性独特の呼吸がある。
若い女の子の文章が華やいで感じられるのは、書いてる内容もあるけど、
むしろその文章の呼吸に「若さ」を感じるからだと思う。
こういうのは、ある程度なりすましで再現することも可能だけど、
本当に女の子が書いている文章なのかどうかは、訓練された趣味の人にはわかる
……と思う。
僕にはそこまでの嗅覚はないのだな、残念ながら。

こういうことは漫画のネームでもあるし、セリフやコマの配置の「呼吸」については、
ものすごいこだわりがある。もちろん、そんなものは自己満足だし、
読者がそれを読み取る必要はまったくないのだけど、まあ、こだわっている。

編集さんと打ち合わせをしていて一番食い違うのがこの「こだわり」で、
先方は「なんでこうなるのか理解できない」って感じだし、
僕も「まあ、そうだろうな」と半分諦めモードになる。
「自己満足」って負い目もあるので、たいていはこちらが折れる。
それが仕事ってもんだと、さんざん衝突しまくった過去を思えば笑えたりもする。

でもネームで一番大事なのは「呼吸」だと、そこだけは絶対譲れない。

こういう仕事を何十年も続けているので、
その経験から、他の職業についても「呼吸」が重要なんじゃないかと思うようになった。
接客業でも、相手の呼吸を読む達人はいるだろうし、
パン屋でも、酵母菌の発する呼吸の音を聞き分けるブレッド・マイスターはいるはずだ。
日本酒については醸造元の古老が「音を聞くのじゃ」と話しているのを見たことがある。

たぶん、あらゆる職業に「呼吸」というものが関わっているんじゃないかと思う。

ただ、いざそれを説明しようとすると、ものすごく難しかったりする。
僕はこのブログで絵について何か書きたいなと、大量の文章を書きまくっているけど、
この「呼吸」の部分になると、ものすごく複雑怪奇な文章になってしまい、
途中で投げ出してしまう。
線に呼吸が反映されているとか、どう書いても怪しい観念論になる。

穏やかな線では呼吸は規則的に配列される。
でも、感情が動けば、呼吸は高揚し線の包む白い領域がふくらむ。
ときにその感情が激しすぎれば、呼吸が乱れて白い領域が爆発しそうにもなる。
それを冷静な第三者の目で抑え込み、形を保つ。爆発しそうな呼吸を形に落とし込む。

ほらね、観念論になった。(笑)
でも僕はずっと、絵は線で囲まれた風船を膨らませるようなものだと思っているし、
そのことはここ十年くらいで確信になってきていたりもする。
それがわかってくると、スタート地点で若い頃の自分がいかに無謀で、
準備不足だったかも見えてくる。頭の中の記号を垂れ流していただけだとわかる。
あの頃の自分に一言でもアドバイス出来ればなとくどくど考えてしまう。

自分が観念的であっても絵について語らずにいられないのは、
たぶん若い頃の自分がもどかしくて仕方がないからなんだろうな。

文章でもネームでも、書き手の呼吸のリズムはものすごく重要だと思う。
整然と流れたり、ときに激したり、陽気に飛んだり跳ねたりもする。
その一つ一つの呼吸をとらえて、紙の上に落とし込む。
書きながら、「疲れたけどここで止めたらリズムが死ぬ」と考えてしまい、
何時間も机に向かったまま、フラフラになってやっと筆を止めるなんてことは、
同業者なら誰でも経験していることだろう。
呼吸なんて目には見えないし、それを捕まえて形にしようなんてのは、
かなり無謀な行為なのだ。

でも、それを書いている間はものすごく楽しいし、
頭の中で妙な麻薬物質が分泌されてるんじゃないかってくらい、興奮する。
その楽しい呼吸をどうやって紙の上に落とし込むか、
それがたぶん一番クリエイティブな問題なんじゃないかな。

奇抜さとか目を引く印象的な言い回しなんかよりも、よっぽど重要だと思う。

うん、我ながらよくわからない文章だけどとりあえずアップしておこう。

2018年2月16日 (金)

デコ愛絵師歌麿


絵を描くときに、いろいろな「萌えポイント」というのはある。
かわいい女の子を描くために、目を印象的にしてみたり、鼻筋を通したり、
唇のプックリ感を追求するフェチストというのもいる。

そんな並み居る画狂どもの中にあって、
「ははは!まだまだ若いな!本当の萌えポイントはそこじゃねぇ!」
とフェチズムの究極の形を描き出した天才絵師がいた。

「女の子の一番萌えるポイントは、おでこだ!」

並みいる変態絵師さんたちはビビる。おでこだと?そんなもんどうやって描けってんだ?
天才絵師はニヤリと笑う。
「おでこが描けねぇのか?まあそうだろうな。お前らの萌え愛なんてそんなもんだ」
「しかし、おでこなんて筆の線だけじゃ表現できねえぜ?」
「いや、出来る。愛があればおでこは描ける。デコ愛こそが絵師の究極の技法なのだ!」

そして天才絵師は筆を執り、「ふんぬ!」とばかりに一枚の絵を仕上げてみせた。

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江戸の浮世絵師喜多川歌麿のすごさというのは、なかなか理解されていない。
日本の絵師で、彼ほど「デコ愛」にあふれた美少女イラストを描いた男はいない。

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江戸郊外の茶店に入り、そこの看板娘が「いらっしゃいませ」と声をかけると、
彼はまず、おでこを見る。つややかなデコ、なめらかな曲線を描き、
淡く光を反射する至高のパーツ。女性の美の神髄はおでこにこそ宿る!
「君!」
「はい、なんでしょうお客様」
「そのデコを描かせてくれないか?」
「……」

歌麿は少女をかどわかし……いや、モデルに雇い、そのデコを紙に描き続けた。
「君のデコは最高だ!」
「はあ」
「君のデコだけでご飯三杯はいける!」
「そうですか……」
「お願いだ!そのデコを撫でさせてくれないか?」
「嫌です」

最高のおでこを描いた絵師はそれまで日本には存在しなかった。
筆を執って絵を描こうとすれば、どうしても目鼻口を描こうとしてしまい、
おでこはおろそかになる。だって基本的に何もない空間なわけだから。
「いや、間違ってる!おでこを描かずして何の絵師か!」
歌麿は憤慨しながら究極のデコ技法を探し求めた。

そしてなぜか妖怪絵の巨匠鳥山石燕に弟子入りなんかしたりして、技法を磨き、
絵の中のおでこも磨きあげ、ついに一つの結論に達する。

「筆の線でおでこを描くためには、頭蓋の形を立体的にとらえなくてはならない」

立体……二次元の絵に三次元の立体物を表現することこそ、近代絵画の始まりであった。
西洋ではルネッサンス期にダ・ヴィンチやミケランジェロなどの大天才が、
科学的理論を駆使して彫刻の技法を絵画の上で用いる方法論を確立させた。
それとほぼ同じ理屈を、江戸の浮世絵師歌麿は独力で完成させた。
……究極のおでこを描きたい、ただその一心で。
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歌麿の絵は立体を正確に把握している。後頭部の頭蓋を見ればそれがわかる。
頭の形が立体として正確だから、目鼻立ちもその立体の上に正確に配置される。
「まるで生きているように生々しい表情」
が表現可能になる。

「すげぇ!こんな絵見たことねぇ!」
「紙の中から美人のお姉ちゃんが飛び出して見えるぞ!」
「神だ……俺たちは今、神の技を目撃しているんだ……」
江戸の庶民は熱狂し、歌麿の美人画は飛ぶように売れた。
茶屋のお姉ちゃんも
「先生!私、先生のモデルにしていただいたおかげで超有名人になれました!」
と艶っぽい目で愛嬌をふりまく。

しかし、歌麿は大いに不満だった。
「違う……俺はおでこを描きたかっただけなんだ……なのに誰もそのことを理解しない」
みんな美人だ生き絵だ、天下の大名人だと誉めそやすが、
「おでこ」
を褒めてくれる人間は誰もいない。そこが萌えポイントなのに、
誰もそこを指摘してくれない。

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こんなにまろやかで叩くと「ペンペン」と音がしそうなおでこの絵なのに、
「デコ絵の巨匠」とは呼んでもらえず、「美人画の巨匠」と呼ばれてしまう。

歌麿は絵画の世界で一つの革命を起こしていた。
絵が立体的であるから、平安絵巻の「へのへのもへじ」絵と違い、
顔だけで十分に絵を成立させることが可能となったのだ。
版元、つまり出版社は歌麿の「大首絵」というバストショットの絵を売り出した。
「美人の顔が画面いっぱいだ!」
と、江戸の庶民は大いに喜んだ。
西洋でも「バストショットの肖像画」が成立したのは例のルネッサンス期以降である。
二次元に三次元を表現する技法の確立があって、初めて可能となる絵画分野なのだ。
まあ、歌麿としてはおでこ以外に描きたいものはなかったし、
体とか手とか、めんどくさいからそうしたまでで、
まさかそれがダ・ヴィンチ級の絵画革命だったとは夢にも思わなかっただろうけど。

歌麿の追随者は次々と出現した。
「歌麿先生、この絵を見てください」
ある日、版元の蔦屋重三郎が大首絵を持って訪ねてきた。
「葛飾北斎って、売り出し中の若手なんですけどね、なかなか上手いもんでしょう?」
見れば歌麿風の美人画で、筆さばきはなかなか見事、絵としては上々である。
しかし……
「ダメだ、この絵はまるでおでこが描けちゃいねぇ!」

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まるでデコ愛が感じられない。おでこがぞんざいでそこにあることすら認識できていない。
立体造形としても、後頭部の形がいびつにすぎる。ぺしゃんこで中身が潰れてそうだ。

「こいつには才能がないな」
「……そうですか?なかなか上手い絵だと私は思うんですけどねぇ」
「ニ三年で消えるんじゃないか?人の絵をまねるのは構わないが、肝心のところが描けちゃいねぇ。それがわからない限り、こいつは大成しねぇよ」
デコ愛なくして何の絵かと、歌麿は大いに憤慨したのだった。

蔦屋重三郎は言われたままを葛飾北斎に伝えた。
「どういう意味なんですかねぇ。絵に魂が籠っていないってことなんでしょうか」
デコ愛を理解しない蔦屋重三郎には歌麿の言葉はちんぷんかんぷんだった。
もちろんそういう性癖のない北斎にも理解はできなかった。
だが、美人画の巨匠がそういうのだから、自分には何かが足りないのだろうと反省し、
「自分の描きたいものを見つけなくては、いい絵は描けないんだ」
と、自身のフェチズムを究極までつきつめ、ついに、
「蛸と海女さんが乱れ乱れてルンルンルン♪」な春画をものにするのだが、
もちろんこの一連のお話は作り話である。

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そして言うまでもないことだけど、
歌麿がデコ愛溢れる究極のおでこ絵師というのは僕が勝手にそう言ってるだけで、
美術の偉い先生にそんなことを言ったら怒られたり破門にされる可能性があるので、
絶対に言っちゃダメだよ!


2017年12月31日 (日)

2017年ラスト

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落書き。
年末なので適当に絵を描いて、ピグマでペン入れして、
テレビを見ながらずっと色塗りの練習をしていた。
この色とこの色を組み合わせて、こんな風に陰影をつけて……なんてやってたら、
パソコンのスペックオーバーで漫画ソフトがフリーズしてしまった。
画像を取り出すこともできないので、パソコン画面を撮影するソフトで撮影した。
全体的に彩度を落とし気味にしたけど、派手な絵にはなってる。
これが年賀状でも良かったかな、と思わんでもないが、今年はもう出してしまったので
すでに手遅れ。
まあ、新しい一年を妙なクリチャーで迎えるのも申し訳ないので、これはブログ用に。

今年はあんまり女の子が描けなかったなぁ。
スロマガの担当さんはとても理解がある方なので、
当初は原案段階で色っぽい話を入れまくってくれたのだけど、
これがなんというか、編集部から「よろしくない」と指導を受けまして、
マンガ喫茶で隣の部屋のカップルがおっぱじめた回のあたりでストップがかかりました。
うん、そりゃそうだよね、担当さんはなんてものを僕に描かせるんだと、
責任を他人に押し付けて一人とんずらする漫画家、大目玉をくらう担当編集者。
いやいや、面白いものを描かせてもらったので感謝してますけど、
健全な雑誌を目指してるって話だったから、ちょっとまずいかなとは、
薄々思ってはいたのだな。結局描きたい欲望に負けたけど。

それでも、後半戦のパチスロ対決のあたりはめっちゃ燃えました。
カミナリがズババババーンて飛びまくって、レビンさんがすっかり魔物と化していた。
あれ、ご本人がお怒りでなければいいんだけど、描いてる方はノリノリでした。

カミナリのエフェクトはトーン処理でやってます。
細かい説明はめんどうなので省きますが、カミナリのトーンをレイヤー化して、
黒い部分にホワイトを置いて雷レイヤーを作っています。
コミックスタジオに特に説明はなかったので、その機能に気づいたときは、
「おお!」と唸った。
鉄子ではあんまり使えなかったけど、パチスロサバイバルでは使いまくってる。
めんどうだけど、楽しい作業なのだ。

11月にライドさんの強制終了が発表されて、残念なことになっていたのだけど、
しばらくは歴代の旅打ち人のレジェンドを漫画化する方向になるみたいです。
それはそれで面白そうだなと思う。
女の子は出てきそうにないけど。
先日も電話で担当さんと打ち合わせをして、
「この実在編集者の方は若い女性なのですか」とお伺いいたら、
「気持ちは若いです」
との話だったので、僕の中ではものすごい美少女になりつつあります。

それでは、なんだかんだ今年も大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いします。


2016年10月30日 (日)

昭和人情食堂No.4

明日10月31日月曜日に「漫画昭和人情食堂」No.4が発売になります。
「ごちそう編」ってことでお目出度い料理が盛りだくさんな内容になっております。
僕はなぜか「カレーライス」だけど。
巻末のコメントで「ご馳走」について語っていますので、微力ながら参戦ってことで。
全国のコンビニエンスストアーでの販売となります。
遠隔地での販売は少し遅れるようです。
北海道と島根の情報だと、週末くらいには発売になるのかな。
お忙しい中、コンビニ本をお探しくださる皆様には感謝の言葉もありません。
なんとなく手に取ってお買い上げくださったお客様にも、感謝です。
日々のお仕事の疲れを癒す、そんな漫画がいっぱい掲載されております。
何度も繰り返しお読みいただければ、これに勝る幸いはございません。
なんせ、このコンビニ本だと自分なんて若造っつーか、青二才っつーか、
「人生の諸先輩方」が思い入れたっぷりに執筆しまくってますから、
にじみ出る「人生」の味が濃いのなんのって。
自分は若輩なので、毎回かなり圧倒されております。

掲載作品について語るのは、ちょっと早すぎるかな。
巻末コメントについて。
「何かご馳走についてのコメントをお願いします」
とぶんか社のNさんからメールをいただきまして、書いた内容が、
「大みそかに父がハマチを一匹丸ごと買ってきて、それを正月中に家族みんなで食べた」
だったりします。

ハマチという言葉が関東圏では馴染みが薄いかもしれないけど、
養殖のブリ、またはブリの少しこぶりなやつ、って感じだと思います。
ブリだけにこぶり、ってか。(失笑)
自分のイメージだと、ブリの脂がいっぱいのってる奴って感じです。
これは
「養殖だと運動量が天然物より少ないので身に脂がいっぱいのっかる」
ってことらしいです。
まあ、ブリの若い奴だからってのもあるだろうけど。

このハマチが父親の大好物だった。茶わん蒸しよりも大好物だった。(過去記事参照)
今だから書けることだけど、店で出すのにお客様よりいいところを取ろうとして、
母に滅茶苦茶怒られてた。
だから、一度思う存分好物のハマチを堪能してみたかったんでしょうね。
年の暮れに「ブリか!」ってくらい大きなハマチを一匹丸ごと買ってきて、
台所じゃ狭すぎるってんで、風呂場で解体作業を始めた。
四十年くらい前の風景だけど、今でもはっきり覚えている。
風呂場を改装する前だから、小学校の四年生くらいじゃないかな。
風呂桶の横にむき出しのガス湯沸かし器がある、掘っ建て小屋みたいな風呂で、
コンクリートの台の上に簀子板敷いて、その上にウレタンのマットを乗っけていた。
ここが普段は洗い場なんだけど、そこに新聞紙かなんか敷いて、
夢中になってハマチの解体をやってた。
子供だったからなんだろうけど、ハマチはデカいなぁと頭に刷り込まれた。
ブリよりは小さいはずなんだけど、やたらデカく感じた。

これを身はサクにして刺身用、焼き物用に分け、頭とか尻尾とか、
アラの部分は乱切りにしてボウルに選り分け、大量の塩を振っていた。
こいつは冷蔵庫に保管しておいて、先に刺身から食べ始める。

ハマチの身は薄い肌色と紅い筋肉の部分のコントラストが素晴らしく、
ときどき銀色の皮が残っていたりして、この配色がなんとも食欲を駆り立てる。
イナダじゃ若すぎるし、ブリじゃ身が歳をとりすぎている。
ハマチだからこその、脂ののり具合なのだろうと、ちょっと力説してみる。
普段はお客様に出してしまう一番脂ののったところは、当然父親が食べる。
これだよこれ、こいつを俺は食べたかったと、
濃厚な脂の味に父は酔いしれたことだろう。

僕は三人兄弟の長男なのだけど、父親と一緒に紅白を観ながらハマチを食し、
「なぜに大みそかにハマチ?」
と疑問に感じながらも、父が太鼓判を押すものはやっぱりおいしいなと、
素直に関心したのでした。
今でもパブロフの犬よろしく、イナダやブリの刺身をスーパーで見かけると、
ついつい買い物かごに突っ込んでしまう。
人の好みは二親から遺伝するという、典型的な例だと思う。

ブリを正月のご馳走にするって地域は、地方になると多くなるのかな。
昔、サライって雑誌で特集記事があったと思う。
「ブリ対シャケ」みたいな感じの奴。
だから正月にブリを食べるっては、案外普通のことなのかもしれない。

正月三が日は身の方を照り焼きにして食べる。
火を通して白くなった身は味が濃くて、醤油のタレによっていっそう香ばしく、
クセになる味わいになる。人はこれを「ブリの照り焼き」という。
正月の参拝を終えて親戚周りなんかも済ませた後、
僕は友達とゲイラカイトって凧を上げてひとしきり遊んでから、
おせちをつまみながらこの照り焼きを食べたわけだ。
どうでもいいけど見なくなったな、ゲイラカイト。

で、とどめが例のアラを使ったアラ汁だったりする。
頭部を解体しているので、当然目玉の部分も入っており、眼肉は父曰く、
「大当たり!」
となる。
のちにすっぽん鍋を食べたとき、すっぽんの頭を咥えて踊り狂った自分だが、
この当時はゲテモノが大嫌いで、イワシの頭でさえ残して食べていた。
白い球が汁の中に沈んでいる状態ってのは、小学生の自分にはちょっとしたスプラッタだ。
エクソシストだ、オーメンだ、フライデー13thだ、バタリアンだ。
まあ、食べたんだけどね。長男特権というか、長男に食べさせたかった父親の気持ちは、
この年になるとなんとなくわかる。
今でも兜焼きなんかは大好きだけど、目玉をしゃぶる境地まではなかなかいかない。
「それがおいしいんじゃん♪」
と通の方はおっしゃるけれど、
目は心の窓ですぜ。眼肉を楽しむくらいが僕の限界です。

塩を抜いたアラは残った塩味も効いているけれど、
骨にくっついている身もスルリと取れて、それがなんともおいしい。
骨をしゃぶるようにしてアラの味を楽しむ。
それに、アラの味の出た汁がまたおいしいんだよな。
この汁の味は小学生の僕をすっかり夢中にさせた。
名古屋出身の僕は、みそ汁と言えば赤だしだけど、
このアラ汁の味を覚えて以来、断然白みそ派になりました。
僕は名古屋の裏切り者です。
ういろう?きしめん?
日本にはもっとうまいもんがいっぱいあるんじゃい!
まあ、ときどき無性に食べたくなるんですけどね、赤だしもきしめんも。
ういろうは食べると「こんなもんだっけ?」と物足りない気持ちになることが多いけど。

と、これが80文字制限のコメントに書ききれなかったご馳走の思い出だったりします。

他にもご馳走の思い出はあるんですよ。
母の弟さんが「名古屋の親戚はもっと結束しなくてはならない」と考え、
川隅家と奥家合同で食事会を企画したことがあって、
このときは名古屋駅前の「ロゴスキー」だったかな、ロシア料理のフルコースを食べた。
普段貧乏な自分には、「フルコースひえーーーー」
っておっかなびっくりだったけど、
カップにパイが乗っかっていて、それをスプーンで突き破るスープとか、
小学生にはずいぶんと異国情緒たっぷりの「ご馳走」だった。
ピロシキもおいしかった。
なんせ、あの時親に買ってもらった服が青かったことまではっきり覚えている。
だから、ちょっとした大冒険だったんだと思うよ。

でもこれは説明が長くなるからパス。
弟さん、つまり僕にとっては平作叔父さんなんだけど、
奥さんがハイカラな方で、
ある日近所にある一軒家の前を通ったら家がピンクに塗られていたこともあった。
僕よりいっこ下の従妹の子と妹ちゃん、弟くんの二姫一太郎だった。
この家は親戚周りでお伺いすると毎回ご馳走が出てきた。
前に「お寿司のわさびがうんたら」って書いたのはこの家の話で、
唐揚げも手の込んだやつを奥さんが作ってくれた。
二姫一太郎の家はなんか華やかだな、ってのが僕の印象。
野郎三兄弟の家とは何かが違う。
長女はやんちゃでかわいかったけど、僕の知り合いがかっさらって行った。
話を聞いたとき、なんであいつの名前がここで出てくるんだ?と、
かなりびっくりさせられた。ヤンチャな旦那とヤンチャな奥さんのベストカップルだ。
話が脱線した。

母も弟さんも、三重の山奥……ってか海沿いの山奥の熊野から名古屋に出てきているので、
「一族が一体になって頑張らなきゃ」
って思いが、当時の叔父さんの中では強かったんだと思う。
たぶん、奥さんに対する見栄もあるんだろうけど。三重県出身だけに。(もうええって)
身内で「頑張ろう」って気持ちが「ご馳走」って形になるんだろうなって、
僕は叔父さんちの料理から学んだ。
まあ、ずっと後になってからそう気が付いたって話で、
小学生の頃は「俺はあんなハゲ頭にはならないぞ!」って
奥家の忌まわしき因縁を嫌ってたけど、薄毛になればその因縁も妙に愛おしい。
まあ、まだ生えてるんだけどさ。

しばらくは漫画の解説が続きます。


2016年3月24日 (木)

告知

3月25日金曜日、ぶんか社様から「漫画昭和人情食堂」が発売されます。
そこに、読み切りで作品が掲載されますので、
コンビニ等でお見かけの折は、是非お手に取ってご覧いただけるとうれしいです。
そのままレジに持って行ってもらえるとなおうれしいです。

電子書籍でもご覧いただけるそうなので、そちらからも是非。

今回は「懐かしい昭和の食の風景」とのことでしたので、
いろいろ思い出を書き出して出版社のほうへ送ったところ、
「これ」
と言われたので、それを描いてみました。
とても個人的な内容です。
読み返したら案外明るい話になってたんで、ご容赦いただけたら幸い。

で、技術的な話。

今回はインクとGペンを使わず、ピグマで描いてみました。
紙も、いつもは市販の漫画用原稿用紙を使うのですが、
今回は近所のスーパーで買ってきたA4のコピー紙です。
そこに100円ショップで買った方眼紙を敷きまして、それに合わせてコマ割りしてます。

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これだと下書きをトレースするときとても便利。
どうせパソコンに取り込むんだから高い原稿用紙を使っても意味ないよと、
そんな感じです。

……うん、漫画の技術に興味のない人には本当にどうだっていい話だ。

2015年6月14日 (日)

いわずもがな

「鉄子の育て方」の最終話を出版社に渡しまして、一週間ほど雑用に追われておりました。

その間、六月だし、気候も良かったのであちこちぶらついたりもしました。
まあ、医者に運動しろって言われたせいもあるんですけどね。

それで、鉄子の育て方については、とても気に入った作品ではあるし、
いろいろ書いておこうかと、思ったのです、散歩しながら。

「風より疾く」の時もそうだったけど、
連載が終わってもキャラクターは頭の中で動いてますので、
いろいろ整理しておかないとなんだか落ち着かないのです。

「鉄道の企画があるんだけど、やりませんか」
と声をかけていただき、2013年の冬に講談社に出向きました。
もともとはドラマの企画だったものを、並行して漫画にする、というものです。
この時点で原作のやまもりさんの中ではかなりイメージが出来上がってまして、
ヒロインはあずさ、その先輩にかいじ、というのも、決定していました。
ドラマのキャストはあの時点では決まってなかったんじゃないかな。
一話のネームを作った時点では、神宮前さんの名前もまだなくて、
「とりあえず真田十勇士の名前を入れときます」
と仮名で進めた記憶があります。
神宮前さんは筧さんでした。
例のハンサム君にも、この時点では仮名があったはずです。
結局、名前が出てこなかったのだけど。
自分がネーミングしたのは最終回のあずさの友人だけのはずです。

かいじと神宮前さんのキャラデザはほぼ一発で出てきました。
かいじは高校の頃のクラスメートをイメージしました。
すげーいいやつ。
神宮前さんは、「丸い目で真面目な人」ってイメージ。
デザインしてから、某「究極超人」の絵柄に似てるなとちょっと思いました。

実際に役者さんが演じていらっしゃるのを見て、「あ、イメージに近い」と思ったりして。
かなり若い方ですけど。

あずさのデザインは最初はもっとお嬢様っぽかった。
髪のイメージは薄い栗毛色で、ロングヘアー、イアリングは星の形だった気がする。
まあ、あのままだったら「お馬鹿なあずさ」にはならんかっただろうな。
典型的な巻き込まれヒロインで終わっていたと思います。

編集部の方で物言いがついたので、一度書いたネームのあずさを全部修正しています。

その後、変更したネームをやまもりさんに観ていただいたら、
「ヒロイン役の女優さんに似てる」
と喜んでいただけました。
実際、小林さんはピッタリのイメージだと個人的には思います。僭越ですが。

一話のネームの時点で描き直した部分が他にもいくつかあるのですが、
エレベーター乗り場の「鉄道テレビ」のプレートの下に
「もつ焼きもーっぁると」
と入れたのはやまもりさんです。
なぜそこにこだわる?と思っていたら、ドラマの中にいっぱい出てきたので、
「そういうことか」と合点がいきました。

●二話目の「いすみ鉄道編」では、まだ脚本が上がっていなくて、
やまもりさんがドラマ用に作ったプロットを見て描いています。
ライバルの井川さくら登場。
この時点では結構若いキャラクターのつもりで描いていたのですが、
のちにドラマの全体像がわかてくるにつれ、そちらに合わせて年上になっていきます。
書き進めるうちにどんどん好きなキャラクターになっていきました。
ネームで京都弁を喋らせたりして遊んでたけど、ページ数の関係で自主的にカット。
たしか北斗星の回だったかな。

●三話目が三重県の「三岐鉄道編」。
これはドラマの脚本を見て描いたはずです。
ここであずさの動かし方がようやくわかってきて、動くままに自由にさせています。
脚本が良かったのでしょうね。
ナローゲージの鉄道は本当にかわいいので、機会があれば是非。

●四話目は三岐鉄道編の脚本にあって、切り捨てるのは惜しいと思った「駅弁」の話です。
ここで初めて熱田君が出てきます。単行本化の時に二話目で書き足してるけど。

熱田君はドラマの中ですごく重要なキャラクターで、本来なら一話目で出てくるべき、
なのですが、
一話を描いた時点では僕の中には存在していませんでした。
脚本を読んで「これは使わなきゃ」と思ったわけです。

あとでドラマになったものを拝見したのですが、やっぱり、
スタッフの思い入れがかなり強いキャラクターだと感じました。
女性上司のくだりも三十路独身男の悲哀があって、出来れば使いたかったです。

本来、局長と熱田君のお話なのですが、
漫画の局長を少し嫌な奴に描きすぎたので、神宮前さんにしました。
個人的に神宮前さんが気に入ったキャラクターだったのでいっぱい動かしたかった、
ってのもありますが。

●五話目が京急のお話。
この話は六話目で一度区切りをつけるため、やまもりさんのプロットにあった話を、
ちょこっとアレンジしています。ドラマには無い話ですね。
飯島さんのキャラクターが「京急は早い!京急は安全!」とか叫びだしたときは、
笑えてネームを描き続けられなくなった。
ペアシートのくだりが、プロットを読んだ時から頭にひっかかっていて、
そこをどうしても描きたかった。
プロットでは井川さくらが出てきて邪魔をする、みたいな感じだったけど、
ページ数の関係で割愛。

●六話目があけぼののラストラン。
ドラマの脚本がかなり熱かった。実際、ドラマの方も熱かったです。
32ページじゃとても入りきらないので、かなりアレンジしてます。

●七話目、音鉄の話。
ドラマ版を拝見してから書いたはじめての話。
そのせいか、かなりドラマ版に忠実。
というか、脚本を見ながらネームを書いたので、
名鉄のくだりとか、ドラマで変更した脚本のエピソードがそのまま出て来てます。

●八話目、青森の弘南鉄道。
これはドラマじゃなくて、テレビの鉄道番組を漫画に置き換えてます。
やまもりさんが「やりましょう!」と強烈プッシュしたお話です。

この時の鉄道テレビでのあずさの髪形がかわいかったので、最終回でまた使ってます。

●九話目、鉄道模型の話。
本来、ドラマ版の最終回のための伏線になる話なのだけど、
「相当な準備をしてからじゃないと描けない」と編集サイドと話し合って、
ここへ持ってきました。
脚本の薀蓄がすさまじかった。ドラマ版でカットされた薀蓄も使ってます。
でも、「青大将がすごい!」ってのはドラマの方が良く伝わります。
なんだあの緑の蛇。

個人的に京子ちゃんがお気に入り。

この回の井川さくらに感情移入しまくって、あのオチになったのだけど、
「実はあずさはニセプンの正体に気が付いていた」というのが伝わりにくかった。
でも自分で読み返しても大好きな話の筆頭だったりします。

●十話目、鉄道デートの話。
基本的にドラマのまま描いてます。神宮前さん回ですね。
ドラマの方の、神宮前さんと洗濯物が消えていた、という演出が大好きです。
でも、漫画だとわかりにくくなってしまうし、あの時の神宮前さんの顔が見たかったので、
ああいうオチになりました。

●十一話目、鉄道デートパート2。
これは僕がやりたがった話。ドラマを見て、「実際やったらどうなるんだろう」と、
ちょっとワクワクした。
かわすみの井川さくら大好きテンションがマックス。
ちょっと暴走しすぎたかもしれない。
ネームでは最後の1ページをかなり早い段階から描いていて、
実際のラストネームは「ちきしょう……」のページだったのだけど、
あんまりかわいそうだったので隣にマスコットキャラを描き加えた。

あすさを男装させたのは割と自然な流れ。
本当はあの登場シーンでヲタクファッションの解説がしてあって、
担当さんも写植を用意してくれていたのだけど、
自主的にカット。なんかえげつないと思った。
白い靴下は絶対だったのだけど、単行本のカラー(表3折り返し)では肌色になってる。

あずさがかいじのためにコーヒーを入れているシーンで、
担当さんといろいろやり取りがありました。
あずさがかいじのことが好きだって、言わせるかどうかって話もあったのだけど、
自分は「それは言葉にすることじゃなくて、読者が感じることだ」と考えて、
現行の形になりました。

●十二話目、「岳南鉄道編」
製紙工場地帯を7000系が走るシーンの背景を頑張って描きました。
実際に岳南鉄道に出向いて、やまもりさんと並んで写真を撮ったのだけど、
二人とも同じ○○製のカメラだったので、
「やっぱりこのメーカーは夜景には向いてないよね」
なんて話をしたと思います。
それでも、やまもりさんは伊豆急行を取材する時には、
同じメーカーの最新機種に乗り換えていて、
「夜景もちゃんと撮れるんですよ」
とすごくご満悦でした。
僕も新しいカメラが欲しいです。

●十三話目、「時刻表編」
この回については以前にブログでいろいろ語っています。
このへんになるとヒロインのあずさが勝手に動いてくれるので、
ネームを書くのがすごく楽しかったです。

●十四話目、「北斗星編」
この回のネームはいつもの二倍くらい描いて、半分に圧縮しています。
ネームに相当時間をかけているので、割とガッチリ描けてるはずです。
ラストシーンが一番好きな回。

この次の回のために編集部で打ち合わせをするとき、
やまもりさんに渡された原稿のコピーを見て、
白い雪が真っ黒になっていたため、あわてて修正しました。
パソコン上で雪のスクリーントーンを自分で作って、
それを降らせていたのですが、
コミックスタジオ形式のファイルをフォトショップ形式に変換するとき、
白いトーンがすべて黒く変換されたみたいです。

あと、実際にやまもりさんと二人で北斗星に乗って取材をしました。
札幌では自分は一人で雪祭りを満喫していたのだけど、
やまもりさんは北海道の雪の原野で鉄道写真を撮っていらっしゃいました。
この人、ほんまもんや。

●十五話目、「鉄道写真編」
ついにきたか!って回。広田先生の許可をいただいて、
作品をトレースさせていただきました。
アシさんが半分、自分が半分て感じ。
アシさんはパソコン上ですべて出来るのですが、
自分はトレーシングペーパーを使って、ピグマでなぞってます。

この回の一部が岳南鉄道編とリンクしていますが、
岳南鉄道編を描いた時から、どこかで使おうとずっと思ってました。

あと、個人的なことだけど、
この回を執筆中に鼻血がとまらなくなって、
病院に駆け込み、入稿がかなり遅れました。
関係者の方、ごめんなさい。

●十六話目、「えちごトキめき鉄道編」
この回の横見さんがすごく好き。
ご本人の行動をなぞってるだけなんだけど、
すごく漫画してる。

●十七話目、「伊豆急行編」(まだ掲載されていないので、読みたい方だけ)
伊豆急行を取材させていただいて、帰りに三人でリゾート21で帰るとき、
なぜかビールで乾杯!みたいな空気になりました。
担当さんが勧めるので、自分も結構飲みました。
ことの始まりは、やまもりさんが美味しそうにビールを飲み始めたことにあります。
すげー美味しそうに飲んでるから、担当さんが我慢できなくなった。
それからは親父ギャグのオンパレードで、面白かったから帰ってからメモに残してます。
まあ、ブログにはアップ出来ないシロモノですけど。

最終回ってことですが、企画が企画だけに自分にプランがあるわけでもなく、
ただ、キャラクターに好き勝手をさせたって感じです。

思いのほかあずさが動きまくって、ネームを描くのがかなり楽でした。

そのネームを描いてる途中、友人の訃報があって、
その子のことをいろいろ思い出しながら描いている部分もあります。

ラストシーンは、鉄子の育て方のドラマの初期プロットにあったエピソードで、
編集部でやまもりさんたちと打ち合わせをしているとき、
「あれを使いたいです」
と提案しました。

以前、男三人で青森までプチ旅行をしたとき、
深夜バスで朝の東京に戻ってきたのですが、
名古屋の友人はそのままアレを撮影するために、静岡の方まで行ってしまいました。
江ノ電乗ってから行くって言ってたっけ。

そのことがずっと頭に残っていたので、
アレをラストシーンで使う、という発想になったのだと思います。

あと、滅茶苦茶どうでもいいことだけど、
この回の人物の目は全部ピグマで描いてます。
その方が目が印象的になるんじゃね?と思いつき、ちょっと試してみました。

以上、長々と作者語りをしてしまいました。言わずもがななことなのですが、
なんか語りたかったので語ってしまった。
自分は、この作品がかなり気に入っているというお話です。

2015年3月12日 (木)

「鉄子の育て方」告知

久しぶりにブログ更新。
本当は今描いてる漫画についていろいろ書きたいのだけど、
昔、知り合いで「作者は作品を語ってはいけない!」
と言ってる人がいまして、もう25年も前の話なんだけど、
自分が描いたものについて語るのは、なかなか恥ずかしかったりもします。
……うん、久しぶりにキーを叩いたらミスタッチしまくりだ。

ドラマ版「鉄子の育て方」の告知です。
メ~テレさんで再編集版の新しいのが放送されるとのことです。
それと、テレビ大阪でついに放送決定!

以下、引用。

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3月20日(金)メ~テレ(名古屋テレビ)で1時44分~放送の2時間特番を放送します。

「鉄子の育て方 スペシャル~レジェンド鉄オタ暴走篇~」

↓(メーテレサイト)
http://www.nagoyatv.com/tetsuko/special.html

今回は、ハイブリッドキャストという新しいデータ放送をやります。
スマホにアプリをダウンロードするとスマホがテレビの端末になる感じです?
(うまく説明できませんが)
ドラマの放送中にTwitterでハッシュタグ「#鉄子ドラマ」を付けてつぶやくと、
ハイブリッドキャスト対応テレビで、貴方のツイートが紹介されるかも!
リアルタイムでドラマの感想を大募集します!



テレビ大阪での放送が決まりました。

4月7日(火)スタート

毎週火曜25:35~放送 

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せっかくなので一番新しい時刻表編について語ってみます。

月刊ヤングマガジン誌上に掲載された「鉄子の育て方」第12話。
昨年の暮れに静岡の岳南鉄道を取材させていただいた折、
原案のやまもりさんが「時刻表編やりましょう!」
と、いつものように満面の笑みを浮かべて提案なさったのです。

この頃はドラマのエピソードからは離れて、ほとんどオリジナル展開なのですが、
基本的なアイデアは原案のやまもりさんが提供してくださっているものです。

それで、12月の末には「こんなお話」というアイデアをいただいたのですが、
一か所だけ、すごく納得のいかないところがあった。

「時刻表子ってなんですか」

担当さまは「え?」って感じで、
「今回は完全に架空のキャラクターだし、とりあえず仮の名前じゃないのかな」

「時刻表子じゃ駄目です!これじゃ描けません!」

「えーーーーー」
って感じで、年末のクソ忙しいさなかに、新しい名前を
やまもりさんに考えていただきました。

「安中榛名ってやまもりさんがつけてくださいましたけど……また駅名ですね」
「榛名……いい名前ですね!この子はきっと美人に違いありません!」
「……そうなの?」
「黒髪のロングヘアーで、背のすらっとした美人さんです!」
「……」

というわけで、なんとなく二郷あずささんの学生時代の話がやりたかったので、
同じ大学の出身、という設定になり、
それなら、ミスコンに出るんじゃないの?となって、

「二郷あずさ、ミスコン不戦勝の屈辱」

という導入部になりました。

時刻表対決のネタは、やまもりさんが作ってくださったもので、
「かなり大変でしたよー」
とのことです。

それで、北斗星で女二人がデュエットに乗る、というオチになったのですが、
担当さんの、
「じゃあ、次は北斗星ですね」
の声で、次の回は北斗星のお話に決定しました。

御存じのとおり、北斗星は3月で定期運行が終了となります。
当然、チケットの入手は難しかったみたいですが、
原案のやまもりさんがデュエットを押さえてくださいました。

で、乗ってきましたよ、北斗星!

ということで、取材日がちょうど札幌雪祭りの最終日だったので、
何枚か写真を撮って来ました。
……この同じ時刻、原案のやまもりさんは、北海道の原野で鉄道写真を撮っていたそうです。
人間のあり方として正しいのはやまもりさんだと思います。

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でけぇ。

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レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐……嘘。

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なんだか北海道っぽい。

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野生の味?昔、イノシシを食べたときの歯ごたえを思い出しました。
食べた後、串をどこに捨てていいかわからず、
地面はつるつる滑るし、子供にでも刺したら洒落にならんと思い、
ずっと胸に抱え込んで歩いてました。
お昼どうしようかと思ってたけど、屋台を巡り歩いているうちに
お腹がいっぱいになってしまった。味噌ラーメンおいしかった。

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当日のお昼の気温は2℃。最終日という事もあって、
ところどころで崩壊が起こってました。

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そんなわけで、一番見たかったスターウオーズも、
ストーム・トルーパーの上のあたりが撤去されています。

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あと雪ミク。

以上です。20日発売の月刊ヤングマガジンを、よろしくお願いします。




2015年1月 4日 (日)

2015年です!

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

 1

まず、情報。
昨年末に「大使閣下の料理人」のKPCが発売になっております。
コンビニ等で手軽に大使閣下のコミックが楽しめる再編集版で、
何年か前に発売になったものがドラマに合わせて再発売になりました。
ドラマのストーリーと重なる部分もありますので、
ドラマで興味を持っていただいた皆様には、手に取っていただけるとうれしいです。

あと「大使閣下の料理人」の第一巻がネットの本屋さんで無料で読めます。
大使閣下の料理人て、一巻あたりのページ数が結構多めで、
最初の頃はきちんと一巻でお話がまとまるように担当さんが配慮してくれたので、
お気軽にダウンロードして楽しんでいただけるんじゃないかと思います。
なにしろ無料ですから、大出血サービスです。ビバ、講談社。
(2015年1月現在)

現在月刊ヤングマガジンで連載中の「鉄子の育て方」ですが、
第二巻が新年1月6日に発売になります。

Index
ドラマと同じエピソードが半分くらいで、残りの半分が原案の山守さんのアイデア。
この漫画の魂は山守さんの鉄道愛によって作られています。
僕も取材にいっぱい行きまして、青森の弘南鉄道とか、描いてて燃えました。

単行本の発売の販促ってことで、神田の書泉グランデ様に色紙を描かせていただきました。
たぶん、鉄道コーナーにあるんじゃないかなと思います。

 2

昨日ドラマの「大使閣下の料理人」が放送になりまして、僕もリアルタイムで観てました。
すごく面白かったです。
出演者の皆様とスタッフの方々に「いいドラマをありがとう」と心から伝えたいです。

「ホアがいないじゃん!」
という意見もあるようですが、ドラマが昼ドラのようにドロドロにならないためには、
ナイスな判断だったと思います。
なにせ、お正月のお茶の間で家族みんなで楽しんでいただくためのドラマですから、
不倫を匂わせる展開は良くないと思います。(まじめ)

ホアは僕にとっても特別なヒロインですから、
忠実に再現して日本中の女性から総スカンを喰らうのも嫌ですし。

ドラマについては、岩手の友達からこんな写メを送っていただきました。
岩手日報のテレビ欄で大使閣下と鉄子の育て方が並んでるよと。

201501030725000

……裏番組でぶつからなくて良かったと、ちょっとホッとしてみたり。

 3

正月は名古屋に帰ってました。
外出した時にカメラを持って行かなかったので、写メで撮った名駅からの風景。
高島屋の11階三省堂から見えた「大名古屋ビルヂング」の跡地に建設中のビルです。

Image0611

このビルの正面に「大名古屋ビルヂング」とド派手な看板を付けてくれることを希望。

名古屋に現在住んでいない人間が言うのも勝手ですけど、
名古屋はダサかわいいのが売りだと思うのです。
スタイリッシュさでは東京や横浜にはかなわない、
コテコテ度では大阪には太刀打ちできない。
「うわダサ!(はーと)」って感じで、名駅前に郷土3英傑(信長、秀吉、家康)の像を、
リオデジャネイロのキリスト像なみにそびえさせていただきたい。
その足元で屋台が味噌おでんやあんかけスパを売ってこそ、
「名古屋だぎゃ~~」
って感じがします。僕が住んでた頃はあんかけスパなんてなかったけど。

Dr.スランプのアラレちゃんが「んちゃ!」ってやってる像でもOK。

そういえば、東京の自分ちの近所のスーパーで、
リアルなアラレちゃんが歩いているのに遭遇しました。
前髪ぱっつんで黒メガネの女の子。
それが買い物カゴをもって歩いている。
なんじゃこれはと思ったら、その日はハロウィンでした。

リアルなアラレちゃんはかわいいとオジチャンは思ったよ。