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「ゴーゴー悟空」~替え歌復活~

2013年5月10日 (金)

「ゴーゴー悟空」~替え歌復活~ その3

19世紀ドイツの作曲家、ヨハネス・ブラームスは、まだ十代の青春時代、
レメーニというバイオリニストについて演奏旅行に出たことがあります。
若い頃のブラームスは、小柄な金髪の美少年で、
この美少年が、レメーニがジプシー風の音楽を演奏する傍らで、
ピアノの伴奏をしていたわけです。

で、その時耳にしたハンガリー風の旋律に心魅かれた彼は、
後年、これをピアノ曲にアレンジし、さらに管弦楽に編曲して、

「ハンガリー舞曲集 第1集」

として世に送り出します。
これがヨーロッパで大ヒットして、ブラームスの懐には印税収入がガッポリ入りました。

ところがレメーニは面白くありません。
「あのメロディを教えたのは俺じゃないか、金を寄こせ」
と裁判を起こしました。
著作権裁判なわけです。民謡や俗謡から曲を作ったら、その著作権は誰にあるのか……

で、結局この裁判はブラームスが勝ちます。
事前に「ヤバイかな」と思ったブラームスが、旋律を微妙にアレンジしていたことと、
あくまで「作曲」ではなく「ブラームス編」とクレジットしていたことが、
裁判を進めるうえで有利に働きました。

僕がこのエピソードで面白いと思うのは、
裁判沙汰になる前に作曲した第一集のハンガリー舞曲集は、
誰でも知ってる名旋律の「第5番」とか、哀愁あふれる「第4番」とか、
強烈な曲が多いのに対し、
裁判後に出版した続編のハンガリー舞曲集が、イマイチ地味なことです。

裁判でうんざりしたブラームスは、続きを執筆するとき、
一集目以上に旋律をいじって、結果としてジプシーっぽさが少し弱まったそうです。

ブラームスにも問題はあるかもしれませんが、
レメーニが裁判を起こさなかったら、ハンガリー舞曲はもっとすごくなっていたかもしれず、
そういうデメリットも含めて、著作権問題は難しいなと思うのです。

さて、本題です。
1970年代末のパロディ漫画「ゴーゴー悟空」は、掲載誌の性格と、
あとその時代の日本の著作権がわりといい加減だったため、
あらゆるヒーローが一堂に会する、とても楽しい漫画になっています。

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「大空魔竜」とか「ゼロテスター」、変形前の「ダンガードA」、
左上に「マグマ大使」一家、「ゴッドフェニックス」、
さりげなく「ライディーン」「バリブルーン」と、ちゃっかり「流星号」までいる。

このなんでもありのごった煮感がたまらないのですが、
今これを再販しようとすると、著作権がエライことになるだろうな、というのも、
なんとなくわかります。

漫画の中では「テレビのヒーローたち」の命を受けた悟空と三蔵法師一行が、
悪の手に囚われた博士を探す旅にでるのですが、
それがなぜか正義VS悪の全面対決に発展するという展開になります。

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正義の味方は「新撰組」ならぬ「神仙組」なのですが、当時の小学三年生に
このネタが分かるわけもなく、
新撰組局長、近藤勇が愛刀「虎鉄」を使っていたというのは、
ずいぶん後になって知りました。
「今宵の虎鉄は血に飢えておるぞ」
ですね。

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歴代マジンガー三体が一つの雲に乗ってます。

さて、自分たちの子供の頃に替え歌にした定番曲といえば、
「コン・バトラーV」です。(歌・水木一郎)
超電磁ヨーヨー♪ですね。小学校の頃クラスの小池君が
「超電磁はるまき♪」とわけのわからない歌詞で歌っていたのを覚えています。
超電磁竜巻♪のことか。

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「農耕士コンバイン」のルーツがここにあった!
ってか、あの当時の子供たちはみんなこれに近い替え歌を作って、
好き勝手に歌っていたような気がします。

「コン・バトラーV」はエンディングの「身長57メートル、体重550トン♪」
も子供たちの替え歌のいい餌食でして、
クラスのふくよかな女の子をつかまえては、
「体重550トン♪」
と囃し立てたものです。「それはいじめだろ」って怒られそうだけど、
あの当時は子供同士がじゃれ合ってるような感じだったと思います。

「コン・バトラーV」は、主題歌もエンディングも、
子供たちが替え歌を作ることを前提に作詞されていたような気がします。
「言葉のオモチャ」といったら、作詞家の方に怒られるかもしれないけど、
僕たちはそのオモチャをさんざん遊び倒して、
今では立派なダジャレオヤジになったわけです。

つぎ、「某ラスカル」です。
悟空の頭のハチマキは漫画家の必須アイテムの一つであり、
なぜか呪いのわら人形に釘を打つと、悟空の頭を締め付けて、
無理矢理いう事を聞かせることが出来ます。

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「神様ありがとう♪」が「神様うらみます♪」に魔改造されるのは、
当時の日本中の小学校で起こっていた現象ではなかったでしょうか。
「遠乗り」が「悪乗り」に魔改造されているのも好き。

で、最後は超名曲、水木一郎アニキの歌う「地獄のズバット」なのだけど、
このページの状態が最悪でして、実は穴が開いていたりします。
フォントを移植して再構成しようかともおもったのですが、
そのままでいきます。

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おれをみてくれ/このすがた/おれはスターだ (ゴーゴー)悟空だ/
(「地獄のズバット」のふしで。)

だと思います。

これにて自分の個人的な「あの漫画好きだ!」は終わります。
自分としては替え歌の復権と同時に、著作権についても考えてみたかったのですが、
いかがなものでしょうか。

まあ、ぶっちゃけてしまうと、
「単行本ボロボロだから再販してくれないかな」
というのが本編の最大のテーマだったりします。

某出版社の「三国志」とか、仏の力だかなんだか、無駄に紙質が良くて、
百年後でも残りそうなんだけど。

2013年4月29日 (月)

「ゴーゴー悟空」~替え歌復活~ その2

70年代後半のテレビマガジンに掲載されたパロディ漫画「ゴーゴー悟空」。

講談社のテレビマガジンは、当時黄金時代を迎えつつあった特撮を中心に、
ロボットアニメなどもからめながら、話題作の情報をいち早く子供たちに伝える、
とても楽しい雑誌だった。その中に漫画は数本のみだったと思うのだけど、
自分は「ゴーゴー悟空」の超絶テクニックの絵と、そのパロディ精神に夢中になっていた。

連載終了後に一巻にまとまった単行本を買って、暗記するほど繰り返し読みふけった。
よく本がボロボロになるほど読みふけるという言葉を使うけれど、
現在手元にある単行本は、かろうじて原型を保っている状態で、
カバーは無くなっているし、弟だと思うけど、人物紹介がクレパスでカラー化されている。
紙の酸化も凄まじくて、スキャニングできれいになってるけど、実際はまっ茶色である。
こうして時の流れの中、忘れられていく漫画は数多いのだけど、それじゃ勿体ない。

僕は実はこのマンガ、オタク史的には結構重要なのではないかと思っている。

 

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「ゴーゴー悟空」は単行本の奥付を見ると1977年の出版になっています。
この時代にはまだ「オタク」なんて言葉はありませんし、漫画やアニメをパロディにする、
同人作家と言うのも、それほど注目されていなかったような気がします。
自分が同人の存在を強烈に感じたのは「機動戦士ガンダム」がブームになってからで、
ラポートの特集本でパロディのガンダム漫画を読んだあたりでした。

くどいようですが、当時は「オタク」なんて言葉はなくて、
ガンダムに夢中になっていたのはクラスの中心にいるようなやんちゃな連中でした。
そんな連中の一人が実家が喫茶店で、そこにクラスの何人かが集まって、
「これが無茶苦茶笑えるんだ」
と言って回し読みしたのが、パロディのガンダムでした。
ですから、自分の体感的には、ガンダムからオタク文化が始まったような感じがします。

じゃあ、それ以前はそういうパロディはなかったのかと言うと、そんなことは全くなく、
商業誌上では、のちの同人ブームにつながるような作品がいくつか発表されていた。
僕は、「ゴーゴー悟空」はそんな中でもかなりレベルの高い作品だったと思っています。

まあ、御託はこれくらいにして、本題です。

今回の替え歌は「キャン○ィ・キャ○ディ」です。天下の名曲。
当時の子供たちは学校でもこれを合唱で歌う機会があったりしたので、
たいてい一番くらいは歌えたものです。
替え歌の条件は、大勢の人間がその歌を知っていることなので、
この曲なんかは替え歌にはうってつけでした。
実際、名曲ほど無数の替え歌が生まれるものじゃないでしょうか。

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こちらでヤバイところに墨をいれてます。冒頭が替え歌になってない。

ところで、
このアニメ界の超ヒットソングを歌ったのは、アニソン界の女王と言われる、
あの堀江美都子さんでした。

彼女は絶大な歌唱力と美声を持った歌い手なのだけど、
この当時、なぜか「宇宙鉄人キョーダイン」という特撮ものに出演したりしています。
しかもヒロイン役で。
自分は結構好きで毎週欠かさず見ていたのだけど、人気もかなりあったと思う。

この作品は講談社でもコミカライズされていて、その作画を担当されているのが
実は成井先生だったりします。。
「キョーダイン」は著作権が石ノ森プロで一本化されているので、現在でも入手可能です。

61ra7atchdl_bo2204203200_pisitbst_4                        成井先生の作画は上巻のみです。自分はグランぜルが好きでした。  

「キョーダイン」には、当然堀江美都子さんも成井キャラとして登場するのですが、
そのキャラクターはそのまま「ゴーゴー悟空」でも流用されて、
観音さまとして出演しています。立ち位置的には完全にヒロイン。

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実在の人物なので最初はきれいなお姉さんとして描かれていたのに、
物語が進むにつれてどんどん扱いがひどくなってくる。

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こちらは古典的なネタ。

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なんとなくご本人の人柄だと笑って許してくれそうな気がします。

2013年4月26日 (金)

「ゴーゴー悟空」~替え歌復活~

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子供の頃、おばちゃんの「タバコ屋」で小学館の学習雑誌と、
講談社のテレビマガジンを買って読んでいた。
七十年代の終わりごろで、テレビの世界では特撮やロボットアニメの黄金時代。
カラーページの多いこの雑誌は自分にとって教科書より大切な情報源だった。
自分がテレビマガジンをいつ頃から買っていたのか、よく覚えていないけど、
少なくとも「怪傑ズバット」が初期設定では白かったことを覚えているので、
あの頃には既に買っていたことになる。
(放送が始まったら赤かったので驚いた)

このテレビマガジンに連載されていたのが、アニメ特撮パロディの金字塔、

「ゴーゴー悟空」

だった。
なにせ現在ほどパロディについてうるさく言われなかった時代なので、
替え歌あり、キャラクターの二次使用ありで、ずいぶん楽しいことになっている。
デビルマンやダンガードA、テッカマンや忍者キャプターが、一つのコマで戦っている。
マンガ世界のドリームチームと言おうか、このノリは子供にはたまらない。

特に自分は、このマンガの替え歌が大好きだった。替え歌はパロディの神髄だと思う。

ドリフターズの「8時だョ!全員集合」で、志村けんが、
♪カラースなぜ鳴くの?カラスの勝手でしょー
と歌った時、日本中の子供たちが腹を抱えて大笑いをし、志村の真似をした。
中には眉をしかめる親もいたし、PTAも激怒したと記憶しているけれど、
そういう大人でさえついつい歌ってしまうくらい、このパロディはよく出来てる。
志村、天才じゃね?って本気で思う。

そういう替え歌の文化が、著作権問題で表に出てこないというのは、
ちょっとさびしいなと思う。
パロディ大好きの日本人の笑いの精神がそこにはいっぱいつまっているのだから。


「ゴーゴー悟空」はアニメ特撮の替え歌の宝庫である。
もちろん、本歌取りだから元の曲を知らないと面白さが伝わりにくいと思うけれど、
とりあえず、これなんかは「ボルテスV」と「宇宙戦艦ヤマト」を知ってればOK。

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最後のオチは映画「八甲田山」で北大路欣也が絶叫していたセリフ。
当時映画のCMで使われて流行語になっていた。

「ゴーゴー悟空」はその名の通り、中国の古典「西遊記」のパロディだ。

悟空が三蔵一行と天竺を目指すという基本ストーリーが、
最終的にヒーロー対悪の一大決戦に発展するというハチャメチャコメディなのだけど、
成井紀郎先生の卓越した技量もあって、絵的にも美しい作品になっている。

著作権の問題で完全復活が難しい作品だけど、
数回にわたって、ここで紹介させていただければと思う。

著作権者のクレームがあれば削除します。(当たり前だけど)